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 大和市議会 小田の一般質問

 *実際の質疑では、大項目(テーマ)ごとに、まとめて質問したり、まとめて答弁している場合があります。ここでは読みやすさを重視して再編集し、質問の直後に答弁を記しています。正しくは、市議会HPの会議録をご参照ください。

 *「★」印は、市側の答弁のなかで、私がポイントだと捉えた部分です。

平成30年12月議会

1.大木市政

(1)市政運営

 12月定例会の一般質問は、任期満了を5月に控えた我々市議会議員にとって、今任期の総決算とも位置づけられる。

 大木市政をめぐり、私はこれまでに昨年の12月議会で「『全国初』事業の長短」、今年の9月議会で「次期総合計画」を質した。概括は既にしてきたつもりだ。

 今回は、自分が4年前に掲げた3大政策目標。①産業空洞化の脱却②待機児童の減少③学力向上―の3点だが、それに基づいて検証を試みる。

 産業空洞化の脱却をめぐっては、今年の4月に企業活動振興条例が施行した。午前中の質疑にもあったが、この条例に基づき、支援対象として9件を認定した。内訳は新規立地が1件、事業拡大が1件、設備投資が7件となっている。

 新規立地では、大手メーカー、富士通の携帯事業を母体とする「富士通コネクテッドテクノロジーズ」の中央林間エリアへの誘致に成功した。大和市では、企業の転出やそれに伴う事業所数の減少が問題化していましたが、市としても市内経済の活性化に本腰を入れ始めたと言える。この点は高く評価するところだ。今後は、企業誘致にさらに力を注いでほしいと考える。

 待機児童をめぐっては、4月1日ベースで平成28、29、30年と3年連続でゼロを達成した。これは保育定数や保育所を増やし、受け皿を拡大していったことが理由だ。私が市議会議員になる前の平成26年には128人おり、藤沢市、茅ケ崎市に次いで県内ワースト3の多さだった。その後の数年間で一気にゼロにまで持ってきたのだから、その努力には大変敬意を評するところだ。

 学力向上をめぐっては、文部科学省が毎年実施している全国学力・学習状況調査において、大和市の小中学生の平均正答率が県平均や全国平均を下回る状況が続いている。だが、小中すべての科目でプラスマイナス5%以内に収まるなど、全国平均や県平均との差は以前と比べて縮まっている。

 一般に、教育分野は成果が出るまでに時間がかかるとされる。まだ問題解決には至っていないが、放課後寺子屋をはじめとした様々な取り組みで、学力が向上し始めていることは評価できると言える。

 私が最重視する3大テーマについては、いずれも良い方向に大きく前進している。様々なご努力を多としたいところだ。それ以外にも、ブロック塀に対する補助など時宜を捉えた施策が多く、大きな実績を挙げている。率直に認めたい。

 

 次に、大木市政の手法を分類すると、トップダウン型だと言えるだろう。神奈川新聞に連日、「県内首長の動向」が掲載されている。大和市だけでなく他の市町村の動向も分かる。これを見ると、他市の市長は、部長や局長と打ち合わせをするケースが多い。一方、大木市長の相手は、担当課や課長が目立つ。他の市長よりも直轄の度合いが大きいように見受けられる。

 

 市政のPR量が極めて多いのも特徴だ。広報紙だけでなく、やまとニュースの全戸配布、広報PRボードへの掲示、市長街頭報告などなど。これは皆さんご案内の通りだろう。

 

 さて、大木市長は昨日の一般質問で、4選出馬への意欲を問われ、明確に意思表示しなかった。仮に不出馬の場合、来年度予算を政策的経費がない骨格予算にとどめることも考えられる。そこで1点伺う。

 

①来年度予算の編成作業は通常予算なのか

■市長

 本市の最上位計画である総合計画のもとには、約60の個別計画があり、それぞれの計画に基づき、毎年度の予算で市民生活に直結する施策、事業にスピード感をもって取り組んでいるところだ。さらに基礎自治体である本市が実施している事業は、福祉、教育、子育てなど多岐にわたっており、一時も停滞することなく継続して実施する必要がある。

  このように市民の暮らしや生活に直接影響を及ぼす施策、切れ目なく実施する基礎自治体としては、来年度予算編成にあたっても、通常予算として組んでいく。

  なお、本市の市制施行以降、4年に1度の市長選挙が行われる年において、骨格予算を組んだのは昭和50年度予算の一度だけだ。

(2)多選自粛条例

 私のポリシーは「是々非々」だ。「是是是是」でも「非非非非」でもない。子育てに例えれば、直すべきところを正さずに甘やかし続ければ、子供はわがままに育ってしまう。逆に、叱ってばかりいたら子供は委縮してやる気をなくしてしまう。良いところは率直に誉め、悪いところは改善を促すのが議会の役割である。このように考える。

 

 大木市長は6月議会の本会議で、大和市長の在任期間に関する条例、いわゆる多選自粛条例に関し「一般的に条例は時代の変化や社会の要請で見直す必要があり、本条例についても検証を行っていくことも必要である」と述べた。条例を再検証して改廃する場合、タイミングは今定例会だと考えるが、そのような議案の上程はなかった。

 

 6月議会でも指摘したが、市長が4選出馬する場合、「多選反対」キャンペーンとの言行不一致はおかしいし、筋は通らない。ただ、最終的に判断するのは有権者だ。立候補は自由だ。しかし、その場合は、きちんと理由を説明して条例を改廃することが前提だ。条例そのものの意義や価値を損なわないようにするためだ。

 

 さて、条例とは何だろうか。本市の議会事務局が作成した「議会用語の解説」によると、「市が法令の範囲内で制定する自主法の一つで、議会の議決で制定される市の決まり」ということだ。市の決まりとしては規則や要綱などもあるが、条例は議会の議決を経るため、市民の合意という意味合いが含まれる。法律に準じる重要な決まりごとだ。

 

 条例には、法令によって策定が義務付けられている「必要的条例」と、定めることができる「任意的条例」の2種類がある。本市の多選自粛条例は後者にあたる。

 

 改めて本市の条例を読んでみる。第2条にある「努めるものとする」という文言は努力義務規定だ。「努めなければならない」と努力を強く求める表現より弱いニュアンスだ。だからこそ、市側は9月議会の本会議で「立候補者の選択肢を奪うものではない」と説明したのだろう。

 

 とはいえ、条例をないがしろにしてよいのであれば、市民をだましたことになりかねない。大和市という行政機関のトップである市長が、「一丁目一番地」の公約に基づいて自ら定めた肝いりの条例を破るのであれば、モラルハザードを招く。一体、誰が政治を信頼するのだろうか。

 本条例を出したのは市だ。条例を改廃する第一義的な責任は市側にある。大木市長が条例を放置したまま出馬すると仮定した場合、条例をないがしろにしたことについて、議会に自ら積極的に説明しないことになってしまう。この場合、議会軽視、議会無視と言わずして何と呼べばよいのだろうか。

 

 特に大木市長は、徹底した多選反対キャンペーンで平成19年に初当選した。翌年の3月議会で表明した施政方針では「権力を時間で分断することが必要であると強く考える」と力強くアピールした。

 

 今年の6月議会の際に指摘したが、大和市と同様のケースとして東京都大田区と神奈川県厚木市がある。東京都大田区の松原忠義区長は、12月議会に多選自粛条例を廃止する条例案を提案し、7日の本会議で賛成多数で可決された。

 一方、厚木市の小林常良市長は5日、4選出馬の意向を表明する記者会見を開いた。条例は改廃せずに反故にする模様だ。その1週間後、厚木市議会の総務企画常任委員会は、自粛条例の誠実な履行を求める市民からの陳情を賛成多数で採択した。

 大和市に話を戻す。大木市長は4選出馬するかどうかを明言していない。だが、本条例への対応は、大木市長だけでなく、大和市という行政組織の信頼を揺るがしかねないという意味において大変重要な課題だ。平成20年9月議会で、当時の平松博副市長は「大和市における市長職にある者のあり方として議論を重ねてきた」と明言している。市民から問われれば、職員の皆さんも対応に困ってしまうだろう。市長はその責任の重さを自覚しているか。

 そこで4点、伺う。

①多選の弊害が出ないよう自らに「高いハードル」を設け、どのように取り組んできたのか?

■市長

 市政運営にあたっては、市長就任以来、市民の声を聴くことに最大限注力していくため団体や地域に出向き、様々な意見を積極的に聴くほか、市長への手紙や「あなたの一言提案」などの広聴制度を拡充することで、できる限りサイレントマジョリティの意見の把握に努めてきた。さらに行政内部においても、通常の組織を通した提案だけでなく、担当職員の声にも積極的に耳を傾けてきた。新鮮で活力ある市政運営を確保することを目的に制定した大和市長の在任期間に関する条例は、自分を律するという意味で重要であったと捉えており、それに加え、このように様々な形で意見を集め、市民目線での政策判断を行うことで、独善的な組織運営にならないよう市政運営に取り組んできたところだ。

 

②条例の検証や見直しの進捗と本定例会に上程しなかった理由は?

③条例遵守についてどう考えるか?

④4選出馬した場合に生じるモラルハザードについてどう考えるか?

 ■市長(一括)

 一般的に条例は、理念を掲げるもの、また、権利の制限や義務を課すものから、努力規定を設けているものまで様々であり、それぞれの目的に応じて取り組むべきものと捉えており、時代の変化や社会の要請等により適宜見直していく必要があるものと捉えている。

 本条例についても、他の条例と同様に、様々な視点から検証を行っていくことも必要であると捉えているが、本定例会に議案として提出する予定はない。

また、4選出馬した場合を仮定したご質問があったが、私に与えられた責務は、日々の市政運営に全力で取り組むことであると考えており、市民の皆様から負託を受けた1期4年に全力投球して参りたいと考えている。

 

【答弁後の意見・要望】

 《モラルハザードについての回答を要望するも、回答は出ず…》

 

 答弁をいただいた。地方行政に詳しい大森彌教授は著書「自治体の長とそれを支える人びと」において、「まずは権不十年の見識に学ぶべきであろう」と指摘している。そのうえで、多選に伴う検証課題として以下を挙げている。

 エネルギーやアイデアは枯渇していないか。独善的傾向と政策の偏りが生まれていないか。人事の停滞や側近偏重により職員の士気が低下していないか。議会との関係に緊張感を欠いていないか。日常の行政執行が事実上の選挙運動になっていないか。

 

 以上の検証課題について、私なりにチェックする。

 

 「エネルギーやアイデアの枯渇」については、顕在化していないと捉える。数多くの先進的な施策や市長のバイタリティーには敬意を評するところだ。

 次に「独善的傾向と政策の偏り」についてだ。健康都市を基軸にした市政運営を統一コンセプトと捉えるか、政策の偏りと捉えるかは議論が分かれるだろう。ただ、これは市長の方針だから、統一的なコンセプトと前向きに捉えたい。

 文化複合施設「シリウス」が好評を博している。大変素晴らしい施設だ。ただ、この施設のニックネームは当初、2000作品を超す全国からの公募によって「YAMATO文化森」に決まっていた。だが、開館1カ月前に突然、「シリウス」という新しい愛称が発表された。

 市は、シリウスは公共施設の部分を指す。飲食店なども含めた再開発ビル全体の愛称は「YAMATO文化森」で変わらないと説明する。だが、公募決定時において、芸術文化ホールの愛称は「YAMATO文化森 アートホール」、生涯学習センターのニックネームは「YAMATO文化森 学習センター」だった。これらの呼び名は、今では過去の遺物となっている。

 個人的には、「シリウス」の方がネーミングのセンスは優れていると思うし、結果論としては、シリウスが定着した。だが、公募での決定を事実上、骨抜きにしたわけだから、独善的なプロセスだったといって差し支えないだろう。

 次に「人事の停滞や側近偏重による職員の士気低下」だ。一例をあげる。井上副市長は実務能力にたけ、大変優秀な方だ。市政の屋台骨を支えています。人格、識見、能力に申し分はない。私も平成28年の3月議会でそのように考えて、再任議案に同意しました。その点に変更はない。

 ただ、大木市長が初当選した翌年の平成20年に就任して以来、既に3期10年だ。歴代助役を含めて、大和市の副市長の在任期間では最長だ。平均在任期間は4年程度だから、その長さは群を抜いている。

 次に「議会との関係における緊張感」についてだ。大和市議会では活発な議論や提言が行われている。ただ、議事録を読むと、対市長という意味で言えば、私が議員になる以前の方が侃々諤々と激論を交わしていた。市長に対して批判的にモノを言う議員の数は減り、近年は大人しくなっているように感じられる。

 

 次に、「日常の行政執行が事実上の選挙運動になっている」についてだ。大木市長は7月2日に「図書館総合展2018フォーラムin大和」で行った講演のなかで、「政治家は選挙を意識しないと言えばウソになる」と述べた。その点には同意する。選挙を意識するということは、有権者、市民を意識するということだ。日本は直接民主主義ではない。間接民主主義である以上、当然のことだ。ただ、行政執行はあくまで市民のために行われるべきであり、市長の事実上の選挙運動になってはいけない。

 2つ例を挙げよう。今年10月26日、大木市長は「市長が語る大和市」と題したイベントで、講演した。この催しは、大和市が主催しており、市政運営への理解を一層深めることを目的に毎年開催されている。この日はこれまでで最も多い400人超を集めた。

 最初こそ、災害対策に関する貴重なお話だった。だが、その後は、大和市の施策にいかに「全国初」や「県内初」が多く、NHKで取り上げられてきたかを自慢するオンパレードだった。私が数えた限り、NHKという単語が10回飛び出した。最後には、ご自身の夢として「高座渋谷に新幹線」と大声で連呼して終わった。

 

 私は昨年の12月議会の一般質問で、時代を先読みする力や先進性を示す「全国初」「県内初」、いわゆる「初物事業」の意義は認めつつも、「それ自体が目的となってはならない」と諫めたつもりだった。だが、「市長には何も届かなかったのだなぁ」と残念に思った。いずれにしても、この講演会は、ご自身の実績をひたすら強調するためのイベントだった。大木市長が出馬を表明しているわけではないが、もし出馬した場合には、これは事実上の選挙運動と見られて言い過ぎではないだろう。

 

 もう一例は、市役所だけでなく市内各地に掲げられている横断幕だ。最近は「70歳代を高齢者と言わない宣言」となっているが、それまでは「シリウス年300万人来館」といった内容だった。

 

 横断幕は市役所の内外だけでなく東名高速道路、市立中学校、駅、公共施設の工事現場などにある。「NO!ポイ捨て」といった市民を啓発するための文言なら理解する。しかし、大和市が貼り出す横断幕は、自慢が散見されるのが特徴だ。このような自治体は、全国でも極めて稀有な存在だろう。

 以上の点を総合的に勘案すると、既に多選の弊害は顕在化しているのではないか。そのように見ざるを得ない。もし、弊害がないと言い張るのであれば、その姿勢こそが多選の弊害だと捉える。仮に4選出馬されるのであれば、市民の理解が得られるよう、政治不信を招かないよう、真摯に客観的に見つめなおしていただきたい。そのように願う。ただし、条例改廃が前提であることは言うまでもない。

 

 

 

2.台湾少年工

 

 現在、大和市は韓国の光明市と海外友好都市を結んで交流をしている。だが、近年、日韓関係は思わしくない。韓国は文在寅大統領の就任に伴って、反日の度合いを強めている。

 

 日本でいうところの最高裁判所に相当する韓国の大法院は10月30日、徴用工をめぐり、日本企業に賠償を命じた。本来は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」だったはずだ。韓国は、法律よりも国民感情が優先するとされ、俗に「国民情緒法が存在する」と揶揄されている。国際的な約束より、反日が優先されるからだ。

 一方、台湾は極めて親日的だ。2011年の東日本大震災に際し、義援金約200億円を寄付してくれた。私が台湾を訪れたことがあるのは1回だけですが、乗車したタクシーで日本の演歌が流れており、親日ぶりを実感した。

 

 「日本李登輝友の会」によると、今年11月4日現在で87の自治体が台湾と姉妹提携している。神奈川県内では、お隣の横浜市が平成18年5月に台北市と「パートナー都市」となった。市議会同士で交流があり、自治体同士の交流に結び付いたということだ。

 

 大和市内の中学校の社会科には、副読本「大和」があります。おらが街のことがよくわかる優れた教材だが、この副読本では、歴史的分野の第5章「近代の大和」で、高座海軍工廠を取り上げている。

 1943年、現在の座間市と海老名市にまたがる地に海軍航空兵器製造工場が建設され、翌年に高座海軍工廠が開所しました。平均14歳、15歳の8419人もの台湾の優秀な少年が、仕事や高等教育を求めて日本にやって来た。大和市内にいた少年らは上草柳の寄宿舎に泊まった。大変厳しい生活だった。戦後、本国に帰国した当時の少年工が同窓会にあたる台湾高座会を発足。ふとしたきっかけで、日本人と交流するようになった。

 

 本市でも友情関係が続いている。少年工の第一陣が横浜に到着した1943年から数えて、50周年、60周年、70周年の際には大規模な歓迎大会が開かれ、今年の10月20日には、本市のシリウスで75周年大会が開かれた。

 

 午前中には、座間市栗原の芹沢公園の一角で、石碑の除幕式が行われた。少年工と地下壕の案内板が設置されたり、地下壕入り口の安全対策が施されたりしたということだ。

 これまで、10年刻みで行われていた式典は今回、75周年記念として行われた。あと5年後の80周年では、元気に日本に行ける人がどれだけいるかわからないからだ。

 

 当時の少年工は平均年齢が90歳目前となっているが、御存命の方もまだまだいらっしゃる。北朝鮮の拉致問題は、関係者が生きているうちに解決しなければならない課題だ。同様に、関係者が御存命のうちに、その人脈や交流を活かして台湾と姉妹都市を結ぶべきではないか。5年ほど前に流行語大賞になった某予備校講師の言葉を借りれば、まさに「今でしょ!」なのではないか。

 上草柳の善徳寺には、空中爆雷で亡くした部下を思う「戦没台湾少年之慰霊碑」が建立されている。引地川の湖畔には、台湾高座会のシンボルとして寄贈された台湾亭がある。市内には台湾ゆかりの地があるのだ。

 

 そこで5点伺う。

① 光明市と海外友好都市を結んだ経緯と現状について説明を

② 台湾のどこかの市と海外友好都市を結べないか

③ 散逸を防ぐため、歴史的な資料を保管することはできないか

④ シリウスの図書館に台湾コーナーを設けられないか

⑤ 台湾からの修学旅行生に台湾亭などを訪問してもらうことはできないか

 

■文化スポーツ部長(①②⑤を一括答弁)

 光明(カンミョン)市は神奈川県が友好提携している京畿道(キョンギド)に属し、本市と同様、ソウルという大都市のベッドタウンとしての性格を有していることや、教育に力を入れていること等から、友好都市の候補として検討に入ることにした。

さらには、光明市の副市長が直接本市を訪問し、友好都市提携を積極的に望むことを伝えたとともに、本市内の県立大和西高校が光明市の光文(カンブン)高校と姉妹校協定を締結したこともあり、光明市と友好都市提携を行ったものだ。

それ以降、青少年および文化面での相互交流を軌道に乗せてきたところだ。今後、年を重ねることで意義深い交流となっていくものと認識しており、現段階では、光明市との交流を着実に進めていくことが肝要と考えている。なお、具体的な個別事業については、友好都市提携後、整理していくものと捉えている。

 

 ■文化スポーツ部長(③④を一括答弁)

 本市の歴史にかかる資料は随時収集、保管していく。また、台湾に関連する書籍については歴史、社会、旅行など多岐にわたって所蔵しており、日本十進分類法に沿って分類、配架を行っているので、どこかの一つの国または地域に関連する書籍を分類を超えて集約する予定はない。

 

【答弁後の意見要望】

 答弁をいただいた。友好都市を現状より増やすのは難しいということなのだろうか。だが、台湾と本市は交流がある。是非、積極的に支援してほしいと思う。台湾亭の敷地内は、うっそうと雑草が生えている。訪問客が増えるように、もう少しきれいに再整備するとよいのではないか。そのようにも考えるところだ。

 「ハナミズキ」で知られる歌手、一青窈(ひとと・よう)さん、その姉である舞台女優の一青妙(たえ)さんは、台湾出身の父と日本人の母の間に生まれた。妙さんは、インターネット上のサイトnippon.comに「台湾少年工の心に生き続ける日本」と題したコラムを掲載している。以下に引用する。

 「台湾を親日で片づけてしまっては惜しい。その後ろには台湾高座会のような存在があり、いろいろな歴史があって、つらいことも苦しいこともあったが、みんな時間の経過の中で消化されていき、今日がある。私が2人姉妹の姉だからかもしれないが、100年以上も前から続く日本と台湾の関係を、私は『姉妹』のようだと思っている」

 

 双方の人脈がつながっているうちに何とか姉妹都市を結んでほしい。改めて要望する。

3.教育問題

(1)家庭教育

 先日、本市議会の議会運営委員会の行政視察で兵庫県加古川市を訪ねた。議会で事業仕分けをしているという話でとても有意義な内容だった。お昼時に訪れた駅前の子育てプラザにラックがありました。「家庭教育1・2・3(ワンツースリー)」と題したパンフレットが目に留まった。市教育委員会が作成したものだが、なかなかできが良い。

 

 この冊子では、家族のきずなを築くために取り組むべき内容や、規則正しい生活の重要性、朝ご飯をきちんと摂ることの大切さなどを説いている。

 

 加古川市教委に話を聞くと、この冊子は小学1年生全員に配布し、保護者に行き渡るようにしている。幼稚園や中学校、公民館等にも配っている。とても良い取り組みだと考える。

 

 家庭教育支援と子育て支援は車の両輪だ。大和市は子育て支援の施策はとても充実しているが、家庭教育支援についてはあまり聞かない。子供を育てる親を育てる「親育ち」も大切だ。行政として積極的、能動的に支援していくことが必要だと考える。

 

 そこで3点伺う。

 

①本市における家庭教育支援の現状は?

②早寝早起き朝ごはんについて学校ではどう取り組んでいるか?

③家庭教育の啓発パンフレットを作成し、配れないか?

 

■文化スポーツ部長(①③一括答弁)

 本市では、各学習センターにおいて、保護者の子育てに関する悩みや不安などが軽減されるような講座やセミナー等を実施するなど、家庭教育に関する支援を行っている。また、本年9月には、大和市社会教育委員会議が主催し、地域性の高いコミュニティセンターを会場として、周辺の子育て中の母親、父親を対象に、家庭教育の大切さ、子育てに対する大人の役割などを主題とした講座などを実施している。これらの講座等は毎回、受講者から好評をいただいていることから、今後も継続して実施する予定だが、家庭教育に関するパンフレットの配布については今後、周辺自治体などの状況を見ながら、その効果について調査研究していきたいと考えている。

 

 ■教育部長(②)

  学校では、子供たちが基本的な生活習慣を確立し、健やかに成長していくために保健体育や家庭科の授業などを通して、適切な運動、食事、睡眠が大切だと指導するとともに保健だよりや懇談会などを通して、保護者によりよい大切さを伝え、家庭との連携を図っている。

 

【答弁後の意見要望】

 答弁をいただいた。家庭教育は、平成18年の教育基本法改正で初めて法律に盛り込まれた。基本法第10条では「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」としたうえで「国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」と記している。

 

 家庭教育というと、一部の方々は「国家は家庭に介入するな」と反対する。ただ、子育ての不安を抱え、悩んでいる親御さんが沢山いらっしゃるのも事実だ。共働き家庭が増えている時代だからこそ、家庭教育の重要性はなお一層高まっていると言えるだろう。積極的に支援策をとってほしいと求める。

4.桜ケ丘の地域課題

 

 私は3月議会で「南北格差の是正」と銘打って、南部若返りに向けて若者の居住誘導をどう進めるか質問した。ただ、残念ながら桜ヶ丘地域についての言及が、その質問に対してはなかった。

 中央林間、大和、高座渋谷といった中核地点は基盤整備が進んでいる。一方、各駅停車の駅のエリアは発展が遅れている。

 そこで3点伺う。

①丸子中山茅ケ崎線の拡幅工事の進捗状況について

■都市施設部長

 事業主体の県が、境川から旧藤沢町田線までの約1030mの事業認可区間について平成32年度の完了を目指して事業を進めている。現在の用地の取得状況については、必要な買収面積約18400㎡のうち約72%を取得している。また、歩道の整備状況については、歩道延長約2000mのうち約730mとなっており、進捗率は約37%だ。県では用地取得が完了した箇所については、本整備が可能となった区間において、歩行者の安全性を確保するため、歩道の整備を順次進めているところだ。

②桜ケ丘地域の街づくり上の課題について

③桜ケ丘地域への若者世代の居住誘導について

 ■街づくり計画部長(一括答弁)

 本市の街づくりの基本的な方針を示した大和市都市計画マスタープランにおいて、桜ケ丘地域は生活の拠点として住宅地を中心に緑や花が映える街づくりを進める地域に位置づけ、県道丸子中山茅ケ崎線の渋滞解消や密集した低層住宅地の防災性の向上など様々な地域の課題を整理している。

 今後、総合計画の内容に即して都市計画マスタープランの改定を行い、改めて地域間の人口バランスや現在の社会状況を踏まえた課題を抽出するとともに、20年先の街の将来像を見据えた街づくりの方向性を示していきたいと考えている。

 

【答弁後の意見要望】

 答弁をいただいた。今後の都市計画マスタープランの改定作業で、20年後を見据えて街の方向性を示していくということだった。市長はこの夏、桜ヶ丘地域での会合で「中央林間の次は桜ヶ丘だ」とアピールしていたが、この内容に期待したい。

 

 さて、若者の居住誘導を進めるためには、エリアの顔となる駅前の開発がまず大切だと考える。駅前のイメージアップをはからないと、人を呼び込むことは難しいと捉える。大和駅の南側は小田急マルシェのオープンで若干、お洒落になったが、桜ヶ丘駅前もお洒落で美しい街並みに整備してほしい。これから拡幅工事が進んでいけば、そういうこともできていくのではないか。期待を込めて要望する。

 

 駅前をめぐっては西口のロータリーにトイレを設置してほしいという意見もある。ご検討のほど、よろしくお願いする。

 

 では、これで私としては15回目の一般質問を終わる。ご清聴ありがとうございました。

平成31年3月議会

1.シリウス等の来館者数

 

 「日本一の図書館って何を指しているんだよ?」

 「何だろう。よくわからないね」

 

 昨年5月、所用があって東京都千代田区に行く機会があった。私が一人でラーメンを食べていたところ、隣のテーブルに座っていたサラリーマン風の男性数人が、そんな話をしていたのが耳に入ってきた。

 

 「オッ。大和市が話題になっている。『日本一』とは来館者数のことだよ」。私は説明しようか迷った。ただ、元々が小市民なので話しかけることなく、その場は終わった。

 

 東京都内で何故シリウスが話題になったのか不思議だった。調べると、その数日前の夕方に民放のニュース番組でシリウスが取り上げられていた。同じ素材を他の番組で使いまわすこともあるので、ひょっとしたら、この会話の直前にテレビで再放映していたのかもしれないが、シリウスに関する会話があったのは、テレビの影響ではないか。私はそのように推測した。

 

 さて、文化複合施設シリウスが平成28年11月に開館して以来、2年4カ月が経過した。連日、賑わいを見せているのは喜ばしいことだ。

 

 図書館といえば、利用者の快適な読書環境を保つために静かにしているのが一般的がが、館内のテラスでバイオリンが演奏されているのを見て驚いたことがある。館内では飲食の持ち込みも可能だ。従来の図書館像からすると、コペルニクス的転回と言えるかもしれない。

 

 話の本題を進める。市内では随所に「1年で300万人来館 シリウス図書館」などといった横断幕が散見される。最も有名なのは東名高速道路上の横断幕だろう。

 

 年間300万人はどのくらいの規模なのだろう。テーマパークで言えば、東京ディズニーランド、シーに続いて国内2番目のハウステンボスの入場者数が平成29年度は288万人ということだ。国立科学博物館や国立新美術館の入場者数も280万人超で同規模だ。昨年1年間における、プロ野球の読売巨人軍の公式戦主催試合72試合の総入場者数は300万人だった。

 

 市内の図書館をめぐっては、東急田園都市線・中央林間駅に直結する商業施設・東急スクエアの3階に昨年4月、図書館がオープンした。シリウスにスターバックスコーヒーが併設されているのと同様に、星乃珈琲店があり、コーヒーを飲みながら図書館の本を読むことができる。こちらも大変賑わっている。

 

 そこで6点伺う。

 

①シリウスと中央林間図書館の来館者数の受けとめについて

■市長

 両施設は開館以来、大変多くの方に来館していただいており、市民の皆様から高い評価を得ていることの表れであると認識している。

 

②シリウスと中央林間図書館の現在の来館者数について

③シリウスの芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場の利用者数について

④市立図書館における平成27年度と29年度の貸出冊数の比較について

■文化スポーツ部長(一括)

 累計来館者数について、シリウスは2月18日に700万人を超え、中央林間図書館は1月末で約74万人だ。平成29度利用者数は芸術文化ホールが29万5008人、生涯学習センターが56万2239人、屋内こども広場が14万3576人だ。市立図書館における平成27年度の貸出冊数は48万2947冊。29年度は71万3866冊となっている。

 

⑤来館者数はどのように算出しているか

⑥シリウスと中央林間図書館の来館者数の実数は把握しているのか。

■文化スポーツ部長(一括)

 シリウスは各出入り口のゲートにて計測し、中央林間図書館はゲートにて計測した数値から実地計測をもとに来館者数を算定しており、各々実数と捉えている。

 

【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただいた。シリウスの来館者数だが、出入口には蔵書を不正に持ち出すことを防ぐための機器、RFIDスマートゲートが設置されている。この装置は、不正に本を持ち出すと警告するのが役目だ。通過者をカウントすることもできる。なので、市が言う「来館者数」とは、スマートゲートの通過人数を2で割った数字ということだ。

 

 このゲートはシリウスの1階に4カ所、2階に1カ所、地下1階に1カ所ずる設置されている。私が驚いたのは、1階にあるコンビニエンスストアやトイレ、2階にあるトイレと行き来する際にもこのゲートを通過しなければならないため、その都度、「来館者数」にカウントされるということだ。来館者数を正確に測定することは難しいと思うが、私は違和感を感じる。

 

 中央林間図書館については、2つゲートがあるが、ゲート内は図書館に加えて市役所の分室、旅行代理店、珈琲店、カメラ屋、マッサージ店なども含まれている。先ほどの答弁では「実地計測をもとに算定したのが実数だ」ということだったが、私は不自然に感じる。

 

 シリウスの利用者の内訳としては、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場を足し合わせると年間約100万人となるということだった。足し合わせるとそうなる。シリウス全体で約300万人だとすると、差し引きして約200万人が図書館来館者とみることもできる。ただ、双方を行き来する方も多いだろうし、図書館の来館者数は分からないというのが本当のところだろう。実際、大和市が発行する市立図書館年報には、来館者数の記載が全くない。

 

 市立図書館における貸出冊数については、シリウスがオープンした後の平成29年度は71万冊で、旧図書館時代の27年度と比べておよそ5割増しということだった。貸出冊数が増えているのは大変喜ばしいことだが、館内の賑わいを考慮すると、もっと増えても良いのではないか。そのように思う。

 

 参考資料として、横浜市立図書館年報から抜粋して、県内19市の図書館のデータを掲載させていただいた。これは平成28年度分の統計なので、大和市においては旧図書館とシリウスの移行期間にあたる。なので、この表のデータだけで大和市と他市を比べるのは適当ではない。

 

 ただ、ここには記していないが、大和市立図書館年報を読むと、シリウスへの図書館引越しが完了した後の平成29年度の本市の図書の貸出冊数は、高座渋谷やつきみ野なども含めて合計約126万冊。市民1人当たりの平均値は5.4冊だ。市民1人あたり9冊前後借りている逗子市や藤沢市には及ばない。

 

 シリウスをめぐっては、来館者数が大台を超える度に市のホームページのトップ画面のバナー広告で「何百万人突破」と大々的に宣伝されている。来館者数が絶対的な指標であるかのようだ。

 

 既成概念を取り払いテーマパークのような本市のランドマークになったことは大変素晴らしいことだと思う。大和市民自慢の施設だろう。ただ、やはり中核的存在である図書館においては、蔵書数や貸出数、蔵書新鮮度などの様々な指標がトップになるよう、さらなる充実を図ってほしい。そのように要望する。

 

 読書環境の充実という意味においては、市内各駅の駅前に図書返却ポストが設置され、書籍を貸し借りしやすくなったことは大変評価できると思う。朝、街頭活動で駅に立つと、ポストに本を返却する人をよく見かける。「日本一の読書のまち」に近づけるよう、さらなる拡充を要望する。

 

 

2.教育問題

(1)郷土愛を育む教育

 

 私は、平成27年9月定例会における一般質問で、郷土愛を育むための取り組みと郷土の偉人伝作成について質問し。それから3年半が経過したが、任期最後の一般質問にあたり、郷土愛を育む教育について再び質問したい。というのは、この議場にいらっしゃる皆さんは、考え方や主張、立場こそ異なれ、「自分の故郷を良くしたい」、引っ越してきた方であれば「自分が住んでいるこの地域を良くしたい」という思いが共通するであるからだ。

 

 地方議員の原点は郷土愛や地元愛だろうし、郷土愛は家族愛や隣人愛、愛国心と関係してくる。郷土愛を育むためには地元の伝統文化や先人の努力を知ることが重要だ。地元の行事に関わっていくことも大切だろう。

 

 さて、今回の一般質問にあたって資料請求したデータをお手元のペーパーに掲載した。これは文部科学省が全国学力・学習状況調査を行う際に同時に行っている質問紙調査の平成30年度の結果だ。

 

 質問紙調査は学習意欲や生活習慣などを尋ねている。たとえば、「携帯電話やスマートフォンを長時間使う子供ほど、平均正答率が低い」「朝食を毎日食べる子供ほど平均正答率が高い」といった生活習慣と学力の相関関係も導き出すことができる。

 

 一般質問で論を進めるためのデータとして、質問紙調査の中から、郷土愛に関係すると私が捉えた4つの問いをピックアップした。

 

 添付資料をご覧ください。質問は①「今住んでいる地域の行事に参加している」②「地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がある」③「地域や社会をよくするために何をすべきかを考えることがある」④「地域社会などでボランティア活動に参加したことがある」-の4つだ。

 

 グラフは大和市、神奈川県、全国の平均をそれぞれ示している。大変残念ながら、大和市の小中学生は全国や神奈川県の平均と比べて、ほとんどの項目で数値が低く出ている。唯一、本市の中学生のボランティア参加率は神奈川県平均を上回っているが、総じて全国、神奈川県、大和市の順となっている。

 

 話が少しそれるが、マーケティングでは「AIDMA(アイドマ)の法則」がよく知られている。これはAttention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとったものだ。

 

 アメリカのローランド・ホールが提唱した消費行動の仮説だが、消費者が商品などのモノを認知してから購買するまでの消費活動の過程を示している。注意や関心という動作を経て初めて、買いたいという欲求が生まれ、その商品を記憶する。これらのプロセスを前提として「購買」という具体的な行動が生まれるということだ。

 

 質問紙調査における②から④までの3問を一括りとすると、②はAIDMAでいうところのInterest(関心)、③はDesire(欲求)、④はAction(行動)と捉えることができるだろう。

 

 普通に考えると、AIDMAの法則のプロセスを経るにつれて、前向きに回答する割合は減っていく。なので、ボランティアに参加するAction(行動)を行ったとする回答率は他の質問項目よりも低く出るはずだ。小学生はそうなっている。なのに、中学生の場合は他の回答率より高く、相反した結果となっている。

 

 地域や社会のことを考える子が少ないのにボランティア活動に参加している生徒が半数ほどいる、ということは、中学校の部活動などにおいて半ば義務的に行われているのかもしれない。これは推測だ。

 

 なお、国立教育政策研究所が公表している質問紙と学力のクロス分析の結果によると、これらの質問に前向きに応えた児童生徒ほど、全国学力・学習状況調査の平均正答率は高い傾向にある。

 

 平成30年度分の全国平均でいうと、「地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がありますか」との設問に「当てはまる」と回答した小学生の平均正答率は、「当てはまらない」と答えた層と比べて、算数Bでは何と18.0ポイントの差が出ている。一方、ボランティア活動の参加率では、「参加したことがある」と答えた層と「参加したことがない」の層の平均正答率の差は数ポイントにとどまっている。参加率は、地域や社会への関心の強さや学力と比例しているわけではないのだろう。

 

 いずれにしても、大和市の小中学生の地域や社会に対する関心が神奈川県や全国の平均よりも下回っていることは、郷土愛が薄いことを示しているのではないか。私はそう捉える。大変残念であり、改善の余地があると考える。

 

 生涯学習の時代と言われる。学ぶのは子供だけの特権ではない。大人になってからも故郷や地元のことを知る機会が充実していると、なお良い。本市が最近力を入れている市民大学で「大和学」のような講座があると良い。

 

 そこで4点伺う。

 

①郷土愛を育む教育の意義について

■教育部長

 児童生徒が地域の一員であることを自覚し、地域に誇りと愛情を持つためには地域の伝統や文化、先人の功績を知り、地域行事に主体的に関わることが重要であると認識している。

 

②小中学校で副読本やまとをどのように使っているか

■教育部長

 小中学校では社会科等において補助教材として地域の環境や産業、歴史などの理解のため副読本やまとを活用している。

 

③副読本やまとに加え本市の偉人伝を作れないか

■教育部長

 副読本やまとには本市ゆかりの歴史上の人物を掲載しており、新たな資料を作成する予定はない。

 

④健康都市大学で大和を学ぶ講座を開催してはどうか?

■文化スポーツ部長

 健康都市大学では、市民でつくる健康学部として市民の皆様が講師となる講座を実施する。そのなかでは、郷土や大和に関するテーマでの講義を既に複数、予定している。

 

【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただいた。偉人伝については、平成27年9月の定例会で質問した際には「現時点では計画はないが、情報収集や発信に努める」という内容だった。今回の答弁は以前より後退した形となり大変残念だ。本市には、ノーベル賞受賞者の根岸英一さんをはじめ優れた偉人が多数いるから、是非検討を願いたい。

 

 さて、本市の小中学生の郷土愛が薄いとすれば、その理由はベッドタウンであるという土地柄なのかもしれない。東京志向が強ければ、地元への関心は薄れがちとなるからだ。だが、そのような土地柄であるからこそ、教育委員会においては、調査研究を重ねたうえで、郷土愛を育む教育を充実させてほしい。そのように強く要望するところだ。

 

 

(2)インフルエンザ

 この冬はインフルエンザが大流行した。報道によれば、1月21日から27日の1週間に報告された全国のインフルエンザ患者は1医療機関あたり57.09人だった。これは、厚生労働省が集計を始めた平成11年以降で最多ということだ。

 

 本市内でも学級閉鎖や学年閉鎖が相次いだ。教育委員会の発表によると、この冬は市内中学校9校のうち渋谷、鶴間の2校で、市内小学校19校のうち深見、文ヶ岡、草柳の3校でそれぞれ学年閉鎖があった。

 

 インフルエンザのウイルスがのどや気管支の粘膜に付着すると、約20分で細胞の中に入り込む。1日から3日間の潜伏期間を経て、のどや気管支、肺で増殖する。

 

 感染すると38度以上の高熱やせき、のどの痛み、倦怠感や関節の痛みなどの全身症状に襲われる。普通の風邪と同様にのどの痛み、鼻汁、咳といった症状もみられる。子供では急性脳症を、高齢者や免疫力が低下している人では肺炎を伴うなど重症化することがある。死に至ることもあるということだ。

 

 学校は子供が毎日通うコミュニティの場でもある。咳やくしゃみといった飛沫(ひまつ)感染や、ドアノブや手すりに触るという接触感染のリスクは高く、感染拡大を防止することが肝要だ。予防接種の助成制度があってもよいのではないか。

 

 厚生労働省のホームページによると、インフルエンザのワクチンは感染後に発症する可能性を低くする効果と、発症した場合の重症化を防ぐ効果があるとされる。世界保健機関(WHO)は「インフルエンザを予防する最善の方法は毎年ワクチンを接種することだ」と指摘している。予防接種をしたから必ず防げるわけではないが、なりにくいとされる。

 

 そこで3点伺う。

 

①学級閉鎖、学年閉鎖の過去3年間にわたる件数の推移について

■教育部長

 学級閉鎖は平成28年度119クラス、29年度194クラス、30年度は2月末日現在で108クラス。学年閉鎖は28年度2校、29年度、30年度がそれぞれ4校となっている。

 

②児童生徒や教員に対してどのような予防策を講じているか

■教育部長

 学校では養護教諭を中心にインフルエンザ発生情報を共有し、児童生徒や教員に手洗いやうがいを励行するとともに、保健だよりで保護者にも予防策を周知している。

 

③児童生徒に係る予防接種の費用を助成することはできないか。

■教育部長

 インフルエンザの予防接種は国により任意接種とされているため、教育委員会では費用助成の予定はない。

 

【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただいた。今回、インフルエンザを質問に選んだのは私自身、1月に罹患したからだ。病院では医者から、外出しないよう命じられ、数日は家に籠っていた。

 

 学校現場において、先生方がインフルエンザに罹ってしまった場合、子供と違って休みづらい。ただ、休まずに出勤するとインフルエンザをうつしてしまうおそれがある。予防接種も大事だろうし、いざ先生が休んだ場合を想定した計画的準備も念入りに行ってほしい。

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