大和市議会 小田の一般質問

 *実際の質疑では、大項目(テーマ)ごとに、まとめて質問したり、まとめて答弁している場合があります。ここでは読みやすさを重視して再編集し、質問の直後に答弁を記しています。正しくは、市議会HPの会議録をご参照ください。

 *「★」印は、市側の答弁のなかで、私がポイントだと捉えた部分です。

平成29年6月議会

一般質問の動画はこちらから。インターネットエクスプローラ推奨です。

​http://www.yamato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1504

 自民党・新政クラブの小田博士だ。質問通告に従い、大項目ごとに質問を進める。明快なる答弁をお願いする。なお、大項目1、自治基本条例のうち中項目3、厚木基地については、都合により、質問を取り下げる。今回の質問は前回3月議会と違って、あくまでも個人としての一般質問であることを予め強調しておく。

 

1.自治基本条例 

(1)条例に関する一般論

 先月、東京都墨田区の条例修正についての研修を受ける機会があった。墨田区は平成27年11月、指定管理者制度導入に向けて区立図書館条例を提出。これに対し、議会が修正をかけ、図書館の目的規定を創設した。具体的には、目的を定める第1条に、「知る自由の保障」や「教育、教養、文化等の発展寄与」といった文言を加え、さらに、図書館の「資料収集の自由」「資料提供の自由」を追加した。

 

 区議らが委員会の視察で佐賀県の伊万里市民図書館を訪ねた際、館内に大きく掲示してあった「図書館の自由に関する宣言」に感銘を受けたことがきっかけだということだ。

 

 さて、大和市では昨年11月、文化創造拠点シリウス内に新しい図書館ができた。中央林間駅周辺の東急ストア3階に来年4月、新しい図書館がオープンする予定となっている。市では、市立図書館条例や生涯学習センター条例の改正案を9月議会に提出すべく準備を進めている。

 

 大和市の市立図書館条例を読んでみたが、味気ないというか簡素な内容となっている。設置条例なのでそんなスタイルが一般的なのだろうが、図書館行政で変革期を迎えている今、条例で大和市独自のコンセプトを打ち出すのも良いのではないか。

 

 図書館条例の第2条では、「本市は、住民の教養の向上と文化の発展に寄与するため、図書館を設置する」と書いてある。たとえば、ここに「健康の増進」といった文言を追加すれば、大和の文化創造拠点シリウスだけでなく、高座渋谷の図書館、中央林間の新図書館も「健康図書館」という意味合いを持たせることになるだろう。健康関連の図書も充実する。というか、充実しなければならなくなる。

 

 図書館条例の第4条では、図書館が行う事業について(1)図書館法第3条各号に掲げる事業(2)その他図書館の設置目的を達成するために必要な事業-としている。条例を読んだだけでは、中身はまったく分からない。ここに事業の具体的な内容を書き込めば市の図書館像が分かりやすくなる。個人的には、調べ学習の充実に資するべく「学校との連携」といったような文言があると良い。

 

 そこで2点、伺う。

①条例とはどのようなものであると考えているか?

■市長

 条例は地方公共団体の事務に関し、議会の議決を経て法律の範囲内で制定することができると憲法第94条に定められている。地方自治法では、住民に対し義務を課し、または権利を制限する場合には条例に依らなければならないとされている。政策についての基本方針、基本理念を打ち出すために、条例を制定する場合もある。本市においては公正で透明性の高い行政運営を行う。これを目的として、条例等の整備方針を定め、これに基づき例規等の整備を行っている。

 

 

②図書館条例を大和市らしいものにできないか?

■文化スポーツ部長

 本市における図書館条例は、図書館法第10条の公立図書館の設置に関する規定に基づき制定した条例となっている。現行条例は市立図書館の設置場所や開館時間、指定管理者による運営等について規定しており、今後、新たに中央林間に図書館を設置することから、その設置について規定するため、改正手続きを行ってまいる。

 

 

(2)自治基本条例の意義・役割・背景

 安倍晋三総理大臣が5月3日、自民党総裁として憲法改正を提起。自民党はこのほど、憲法改正の中身について議論を本格化させはじめた。私としては総裁が示した憲法改正の中身には異論があるが、強い意欲や決意には賛同するところだ。

 

 憲法と言えば、大和市にも「まちの憲法」と呼ばれる自治基本条例がある。「大和市自治基本条例をつくる会」を中心に、市民を交えて1年半以上協議して作り上げ、平成17年4月に施行した。市民とともに条例を作り上げる試み自体は評価する。この条例は当時、大きく報じられたが、先鋭的過ぎる内容も目立ち、当時の市議会が4カ所を修正して成立した。

 

 さて、言うまでもなく、国内の法体系における最高法規は憲法だ。「最高法規」という言葉を辞書的な定義で言えば、「実定法体系のなかで最も強い形式的効力をもち、その頂点にある法規」となる。一方、「まちの憲法」たる大和市の自治基本条例第2条も、自らを「市が定める最高規範」と位置づけている。

 

 そこで、3点伺う。

①自治基本条例の意義・役割をどう考えるか?

②自治基本条例を制定した理由・背景は何か?

③自治基本条例はそもそも最高規範なのか? だとすれば、その法的根拠はどこにあるのか?

■政策部長(一括答弁)

 自治基本条例は平成12年に地方分権一括法が施行され、全国的な地方分権の流れを背景に、自立した地域社会を実現することを目的として、本市における自治の基本原則、市民の権利および責務、市議会及び市長の責務、並びに行政運営の原則を定めたものだ。 

自治基本条例は、自主自立の自治体運営を支える基本的な理念や仕組みを定め、他の条例や規則等の制定や改廃に当たっても、尊重すべきであるとの考えから、最高規範性をうたっているが、規範としての法的な効力は同一であり、上下はない。

 

 

(4)外国人参政権

 今回、大和市の自治基本条例を読んでみた。厚木基地、16歳という住民投票の投票年齢などの部分に大きな違和感を覚えた。ここでは触れないが、自治基本条例が平成17年4月に施行してから12年が経った。干支にして一回りだ。改正論議が出てきても良いと思う。

 

 さて、本題に入る。ご存知の通り、現在、外国人参政権を認める法律は日本国内に存在していない。憲法15条1項では、公務員の選定や罷免について「国民固有の権利」としている。

 

 本日は関係する条文を資料として配らせていただいている。ちょっと文字が小さくて読みづらくて恐縮だが、是非読みながら聞いていただければと思う。

 

 さて、憲法第93条2項では、地方選挙を行う主体は「住民」としている。この「住民」とは一体何だろうか。その答えを示した判例がある。

 

 平成7年2月の最高裁判決は、「地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味する」と示し、憲法は外国人に対する参政権を保障していないことを説いている。だが、いわゆる「傍論」の部分で、外国人の地方参政権を認める法律をつくることまでは否定しなかった。ただ、傍論は判例としての効力を持たないとされる。

 

 外国人参政権は旧民主党が大変積極的だった。平成10年の結党時の基本政策で「定住外国人の参政権を早期に実現」と掲げ、国会では議員立法案を繰り返し提出してきた。ですが、いずれも廃案。政権を担った3年数カ月の間に法整備が実現することはなかった。

 

 さて、大和市の自治基本条例の第31条では、住民投票の請求資格者や投票資格者について、「本市に住所を有する年齢満16年以上の者」と規定し、「必要な事項は別に条例で定める」としている。これに基づいて必要な事項を定めた住民投票条例では、「年齢満16年以上の者」の具体的な範囲を定めた。国籍は不問とし、3年以上日本に住所を有するなどの「定住外国人」も明文化した。

 

 この住民投票条例の規定によって、大和市においては、選挙権を有していない外国人が住民投票に参加することができる。限定的ではあるが、事実上、外国人参政権を認めていると言えるだろう。

 

 なお、地方自治法に基づき、議会の解散や首長・議員の解職、いわゆるリコールを請求して住民投票に持ち込む場合、請求する資格者は「選挙権を有する者」、つまり、日本国民に限られる。住民投票の請求資格者に外国人を加えている大和市の住民投票条例は、地方自治法と整合性が取れていない。矛盾している。難しい言葉では「矛盾抵触がある」と言っても過言ではない。

 

 憲法第94条では、地方公共団体が行える条例制定について、「法律の範囲内」と定めている。繰り返しになるが、現在、外国人参政権を認める法律はない。そのような条例は作れないと考えるのが自然だ。

 

 憲法学者では、主に長尾一紘(かずひろ)・中央大学名誉教授や百地章・元日本大学教授が、憲法違反の疑いがあると指摘している。

 

 とりわけ百地教授は、平成26年8月30日付の産経新聞で、大和市の事例を詳細に取り上げた上で、「違憲の疑いの強い条例によって外国人が地方政治に影響を与え、ひいては自衛隊や米軍基地問題等、国政まで左右しかねないのは極めて問題ではないか」と警告している。

 

 そこで1点伺う。

➀住民投票条例第3条で、外国人に住民投票の請求・投票資格を与えたのは何故か?

■政策部長

 自治基本条例では、市民生活への影響が大きい重要事項について、住民投票を実施することができる規定が設けられており、実際に一定期間以上、市内で生活する定住外国人も、投票の資格を有することとしたものだ。

 

【意見・要望】

 答弁をいただいた。住民投票条例の結果に法的拘束力はない。だが、自治基本条例第30条の2では、「市民、市議会及び市長は、住民投票の結果を尊重しなければならない」としている。その趣旨を踏まえれば、住民投票で下された判断を覆すことは現実には難しいだろう。

 

 大和市の住民投票条例が憲法違反ではないという許容説に立った場合でも、地方自治法との整合性や「条例は法律の範囲内」という原則を踏まえれば、大きな問題を抱えていると言わざるを得ない。

 

 外国人参政権を認める条項を削除すべく、住民投票条例を改正する必要がある。このように強く考えるし、そのように求める。

 

 

2.空き家対策

 

 この2月、桜ケ丘東側のエリアとして最北部にある百合ケ丘自治会の自治会館落成式に出席した。大木市長は式典に参列していたので、ご記憶のことと思う。

 

 百合ケ丘自治会はこれまで自治会館を所有していませんでしたが、亡くなった住民が「地域に役立ててほしい」と土地を提供。空き家を取り壊して自治会館を新設した。この施設は防音設備と床暖房が整った住宅のような平屋の建物で、室内の内装は明るい雰囲気だ。自治会の会合は、自治会長の自宅ではなく、会館内で行えるようになった。

 

 全国的に空き家問題が深刻化し、空き家をリニューアルしたゲストハウスが増える中、とても良い話だと思った。

 

 さて、本議会でも何度も論じられているが、今後、日本は少子高齢化が加速化する。生産年齢人口が減るため、住宅に投資する余裕がなくなり、住宅需要は減少する。逆に、空き家の数は年々、増加するとみられている。

 

 議員立法として平成27年2月に施行した「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、市町村は空き家の対策計画を作成、変更、実施するため、市町村長や住民、議員、不動産関係の専門家などで構成される協議会を組織できる、と定めている。

 

 自民党大和市連合支部はこの5月末、土地家屋調査士会と意見交換した。席上、協議会の設置を求める要望が出された。近隣の自治体では、相模原市が専門団体や学識経験者、自治会長と市長からなる「対策協議会」を設けた。

 

 そこで5点伺う。 

①空き家の件数また除却された件数の推移はどうか?

■街づくり計画部長

 平成25年度に自治会の協力を得て実施した調査により48件の管理不十分な空き家を把握した。平成27年度には新規の相談により50件を調査したが、このうち21件が空き家ではないことが判明し、また同年度中に14件が除却されたことを確認したことから、平成27年度末において63件の空き家を把握している。平成28年度には新規の相談により28件を調査したが、このうち4件は空き家ではないことが判明し、また同年中に4件が除却されたことで、昨年度末において83件の空き家を把握している。

 

 このように空き家自体の数は増加しているものの、周辺環境に著しく悪影響を及ぼす特定空き家等と判断されるものはない。

 

②詳細な実態調査を行うべきではないか?

■街づくり計画部長

 急激な人口減少と高齢化の進行が全国的な課題ではあるが、本市において当分の間、大幅な人口減少はなく、総人口はおおむね維持される見通しとなっている。このような本市の人口動向から推測すると、空き家となった住宅についても、他の自治体に比べ売却や建て替えは継続的に行われ、適正に土地利用の更新が図られていくものと考えている。

 

 実態調査については、平成25年度に自治会の協力を得て調査を行っており、その後も新たに寄せられた相談に応じて行うなど、老朽化した空き家の実態については、十分に把握している。

 

 

③「空き家バンク」を構築できないか?

④様々な専門団体を交えたワンストップの相談会を開催できないか?

■街づくり計画部長

 市に寄せられる相談のほとんどは、空き家周辺の地域住民からのものだが、空き家所有者から売却や賃貸等に関する相談があった場合には、不動産関連団体を相談窓口として紹介している。空き家所有者への支援者として、相談会の開催や空き家バンクを構築することについては、ニーズを見極めつつ、国や他の自治体の動向を注視して参る。

 

⑤官民連携で空き家対策を総合的に進めるため、専門団体との協議会を作れないか?

■街づくり計画部長

 空家等対策の推進に関する特別措置法では、空き家対策に特化した協議を行うため、地域住民、ホーム、不動産、福祉等の専門家などで組織した協議会を市町村が独自に設置できるように定められている。協議会の設置については、本市における空き家の件数は少なく、常態を含めて深刻な状態に至っていないものと認識しておるので、現段階ではその必要性は低いものと考えている。

 

【意見・要望】

 自民党の政務調査会、党本部の調査会だが、5月、「空き家・空き地の利活用・流通の促進に関する提言」の中間報告をまとめた。この中間提言によると、空き家対策計画を策定した全国の市区町村は300を超えている。

 

 この一般質問の初日、住宅・土地統計調査のデータが議員から紹介された。大和市では平成25年、総住宅数1万13470に対し、空き家は1万3040で空き家率は11.5%ということだった。

 

 これを5年前のデータと比べると、総住宅数は8600、空き家の数は2160、空き家率は1.1ポイント、それぞれ増えている。この数値は特措法上の空き家とは定義が異なるが、空き家が増えている傾向を示している。

 

 今後、対策を本格化させていただくよう要望する。

 

 

3.サッカー

(1)横浜F・マリノスのホームタウン化

 サッカーJ1の横浜F・マリノスが4月末、横浜市と横須賀市を指定していたホームタウンに大和市を追加することを発表した。とても嬉しいニュースだった。

 

 4月28日付の神奈川新聞の報道によると、「今後、大和シルフィードと連携。国内最高峰リーグ『プレナスなでしこリーグ』への昇格を後押しすることで、広域化のシンボルとしたい考えだ」ということだ。

 

 そこで3点伺う。

①ホームタウン化した理由は何か?

■文化スポーツ部長

 横浜F・マリノスは約10年前に本市にサッカースクールを開講し、多くの卒業生を輩出するとともに、市内の各小学校をめぐり、児童にサッカーを指導するサッカーキャラバンや市内の商店会や自治会と連携した事業を毎年実施していただくなど、本市に根差した活動を行っている。

 

 今回のホームタウンの決定は、こうした活動実績に加え、今後は健康に関する施策等さらなる連携をはかりたいとの同クラブからの打診を、市が受諾して実現したものだ。

 

 

②シルフィードとの連携についてどのようなものを検討しているのか?

■文化スポーツ部長

 横浜F・マリノスにおいては本市のホームタウンチームである大和シルフィードとの連携により、地域貢献などの取り組みを進めていきたいとの意向があると伺っている。本市としても、大和シルフィードの有益となる事業展開が図られるよう、横浜F・マリノスとの連携について協議を進めて参る。

 

③横浜F・マリノスの選手が大和なでしこスタジアムなど大和市内の競技場で、親善試合やイベントを行うことができないか?

■文化スポーツ部長

 横浜F・マリノスの公式試合はもとより、本市における親善試合などは、クラブの年間スケジュール等の関係から実施は困難であると想定されるが、選手が参加するイベント等については、今後、本市サッカー協会と連携して、可能性を探って参りたい。

 

 

(2)スポーツセンター競技場

 4月30日、大和駅近くの大和市スポーツセンター競技場、いわゆる大和なでしこスタジアムで、女子サッカー・大和シルフィードの試合を初めて観戦した。チケット代がかからず無料だった。

 

 大きなスタジアム、たとえば東京ドームに行くと、場内にお店があったり、観客席に売り子が来たりして、手軽に飲食物を買うことができる。一方、やまとなでしこスタジアムの場合、スタンドから一旦出て、入り口近くの喫茶店に行くか、敷地内に来ているキッチンカーから買わなければならない。私が観戦した際は、キッチンカーでクレープが売られていたが、品切れだった。シルフィード内にも、規制を緩和して、スタンド内の階段の踊り場に販売スペースがあるとよいという声がある。

 

 そこで1点伺う。

①スタンド内に飲食物の販売スペースを設置できないか?

■文化スポーツ部長

 大和スポーツセンター競技場、いわゆる大和なでしこスタジアム内での飲食物等の臨時販売については、大会主催者との協議の上、施設管理者に申請していただくこととなっている。なお、飲食物の販売に際しては、食品衛生法に基づいた条件に該当していることが前提となるため、保健所での手続きも必要となってくる。

 

【意見・要望】

 サッカーではなくプロ野球の話だが、横浜DeNAベイスターズは地域貢献活動として「大和市こどもデー」を実施。今年5月から6月にかけて、計6試合で1300人の小中学生と保護者をスタジアムに無料招待した。これは球団側の発案であり、大和市だけでなく県内他市とも連携しているということだが、このような取り組みがマリノスと一緒にできると良いと考える。

 

 ホームタウン化するというのだから、マリノスの選手が大和なでしこスタジアムに来てプレーすることが最も望ましい。親善試合が仮に無理だとしても、サッカー教室やチャリティイベントなど、様々な機会を通じて、マリノスの選手が大和市内でさらに露出するようにしてほしい。そのように要望する。

 

 

4.教育問題

(1)道徳の教科化

 来年度から小学校で、再来年度からは中学校で、道徳が特別教科になる。先週、市役所1階のロビーで道徳の小学校教科書の展示会が行われていたので、覗いてみた。

 

 大和市出身の2人が教科書に取り上げられていた。1人はノーベル化学賞受賞者の根岸英一さんだ。教育出版が発行する小学5年生用の教科書の「真理を探究する」という項目で、半ページにわたってコラムが掲載されていた。

  

 もう1人は、女子サッカーの川澄奈穂美(かわすみ・なほみ)選手だ。学校図書が発行する小学3年生用の教科書では、「ナホとメグ」というタイトルで、選手2人の友情などを取り上げた。同社が発行した資料によると、「未来への希望をもち、自らの人生を切り開こうとする意欲を高める」ことが主眼ということだ。

 

 これは調べていないので推測だが、道徳の教科書でゆかりの出身者が2人も取り上げられている市町村は他にないのではないか。少なくともかなり珍しいだろう。地元の議員として、とても嬉しい限りだ。

 

 さて、自分の過去の経験では、小学校高学年の時、道徳は行われず、算数や国語など進度が遅い他の授業に振り替えられていたことを記憶する。もちろん、これは担任の先生によると思うが、自分の過去の経験では、その時はそうだった。

 

 データがあるわけではないが、道徳の授業は月曜日に設定されることが多いと俗に言われる。昔なら振替休日、今ならハッピーマンデーで休みになることが多いからだ。

 

 文部科学省が全国の小中学校に無償でかつて配布した道徳の副教材「心のノート」は、一部の学校では児童生徒らに配られず、職員室に積みあがったまま、とも言われた。この度、道徳が教科化される大きな背景には、従来、授業のなかで軽視されがちだった道徳教育をきちんと指導したいという側面がある。

 

 そこで2点、伺う。

①現在の道徳の授業について

■教育部長

 道徳教育は教育活動全般を通して自立した一人の人間として他者とともにより良く生きようとする人格の形成を目指すものであり、道徳の授業では様々な題材を通して、自分にとってどのように生活していくことが最善か、このとき自分ならどのように行動するかなどを考え、お互いに議論することで自分の考えを深めている。

 

 具体的には、文部科学省が配布している「私たちの道徳」と各学校で選定した副読本等を使用し、いじめに関する問題、偉人や著名人の生き方、自国の伝統と文化、情報モラルに関する事柄などを児童・生徒の発達段階を考慮して、適切な指導に努めている。

 

②教科書選定の方針について

■教育部長

 道徳の教科書については、大和市教科用図書採択方針に基づき、教育委員会定例会で採択する。また採択にあたっては、関係法令、学習指導要領等の内容を考慮した上で、子供たちが自分自身の問題として捉え、考え、議論することができるよう、本市の児童の実態を踏まえた上で、教科書の選定を行って参る。

 

 

(2)教育勅語

 いわゆる森友学園の問題をめぐって先日、強制捜査が行われた。この問題を機に、教育勅語そのものがクローズアップされた。

 

 教育勅語に関するメディアの報道を見ると、「右翼思想」「戦前回帰」「軍国主義助長」「歴史修正主義」といったおどろおどろしい見出しが並んでいる。レッテル貼りをすれば事足れりとする一部の風潮には、まことに賛同しかねる。

 

 歴史を紐解くと、教育勅語は、明治天皇が1890年、欧化主義思想の急速な拡大によって徳育が混乱していた状況を踏まえ、国民道徳や国民教育の根本理念を全国に示したものだ。「上からの命令」というイメージで捉えられがちだが、勅語の中身はそうではない。直後の一番最後には、「朕󠄁爾臣民ト俱ニ拳󠄁々服󠄁膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶󠄂幾󠄁フ」とある。これは、明治天皇が、自ら率先垂範するから、一緒にやっていこうと呼びかけていると捉えられている。

 

 いわゆる「12の徳目」とされる部分を現代語訳すればこのような感じだろうか。

 

 父母に孝行し、兄弟は仲良くし、夫婦は協力し合い、友人はお互いに信じ合い、人には恭しく、自分は慎ましくし、広く人々を愛し、学問を修め、仕事を習い、知能を伸ばし、徳行・能力を磨き、進んで公共の利益、世の中のために尽くし、常に憲法を重んじ、法律を守り、もし危険が迫れば、忠義と勇気をもって公のために奉仕し、天下に比類なき皇国の運命を助けなければならない。

 

 私は「主権在民」の時代に生まれたから、勅語の原文にある「臣民」といった表現には違和感を覚える。徳目の最後の部分である「一旦緩急アレハ…皇運ヲ扶翼スヘシ」のくだりは、「軍国主義を助長した」として批判の槍玉に挙がる。

 

 文部省図書局が1940年に作成した「全文通釈」では、この部分について、「万一危急の大事が起こったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為に尽くせ」と翻訳した。だが、原文にある「扶翼する」というのは「助ける」という意味だ。そもそも、この下りに「一身を捧げて尽くせ」なんて書いていない。当時は軍国時代だったのでそう教えたのだろうが、これは初期の勅語の解釈からすると非常に拡大された解釈だ。それは原文を読めば理解できると思う。

 

 そもそも、この教育勅語の解釈は歴史的に様々な変遷を経ている。勅語が軍国主義なのではなく、日本が軍国主義化する過程で、国対論的に使われた。そう私は考えている。

 

 それはともかく、今の時代に置き換えて考えてみる。東日本大震災の発生時、宮城県南三陸町の女性職員、遠藤未希さんは、津波から逃れるよう防災放送で必死に呼びかけて命を落とした。この遠藤さんの逸話は、埼玉県内の小中学生向けの道徳教育指導資料集に採用されたが、自己を犠牲にしてまでも多くの命を救おうと努めた行動は、私は尊いと思う。

 

 教育勅語は、式典で奉読され、神格化された。そのような使い方が適切でないことは言うまでもない。軍国主義を求めているわけでもない。

 

 だが、教育勅語の使われ方とその中身は別の話だ。ここに掲げられている徳目は、誰しもが否定できない普遍的な価値観であり、まさに、起草者の井上毅(こわし)が言うところの「真成なる王言の体」だと理解する。

 

 そこで3点伺う。 

①教育勅語に対する市長の所見について

■市長

 現在の学校教育は憲法、教育基本法及び学校教育法、学習指導要領等に基づき行われているものと承知しており、ご質問の教育勅語等の学習教材の取り扱いについては、教育委員会が主体的に検討しているものと認識している。

 

 私としては大和市総合教育会議を定期的に招集し、教育委員会と協議を深めるなかで、子供たちがイキイキと育ち、明るい夢や目標をもって、身体も心も健康な生活を送ることができるよう、教育環境の推進に取り組んでいるところだ。

 

 今後についても、子供たちが自らの個性や可能性を大切にし、豊かな心を育みながら成長できるよう、学校、地域社会、家庭、そして行政が一体となって支え続けて参る。

 

②教育勅語に対する教育長の所見について

■教育長

 教育勅語については、昭和23年6月に衆議院本会議において、当時の森戸文部大臣が教育勅語その他の詔勅に対して、教育上の指導原理たる性格を否定してきており、新憲法と教育基本法、学校教育法の制定によって、法制上このことを明確にしたと答弁していることなどから、すでに失効しているものと理解している。また、本年3月、政府が憲法や教育基本法等に反しないような形で教育勅語を教材として用いることまでは否定されることではないとの答弁書を閣議決定したことは、承知している。

 

③12の徳目についてどのように考えているか

■教育長

 12の徳目のなかには個性の伸長や向上心、思いやりの心を持つことなど、学習指導要領に示されている内容項目と類似するものもある反面、現在の子供たちが置かれている状況にそぐわないものもあると捉えている。

 

 本市では、道徳の時間に教育勅語を教材として使用している学校はない。思いやりの心や社会規範を守ることなど、現代社会においても、普遍的な道徳的な価値に関しては、教育基本法の趣旨や学習指導要領に従って、本市の子供たちの実態に合わせ、様々な副教材等を用いて指導している。

教育委員会としては、子供たちが人として、ともによりよく生きようとする力をつけるために、お互いに意見を出し合い、相手の考え方や立場を理解し、自らの考えを深めていく道徳教育を進めて参る。

 

 

【意見・要望】

 答弁をいただいた。道徳の教科化ですが、大和出身の人物が2人、計2冊の教科書で取り上げられたことからも分かるように、大和には偉人がたくさんいると思う。平成27年9月の議会でも質問したが、今こそ、副教材として「大和偉人伝」の作成に教育委員会として取り組んでほしい。そのように改めて要望する。 

 

 教育勅語については、先ほどの教育長の答弁にあるように1948年、衆参両院で排除や失効確認の決議を受けた。だが、当時は日本に主権がない占領時代だった。これらの決議は、連合国軍総司令部(GHQ)の民生局の課長が衆参両院の文教委員長を呼んで口頭で指示したということだ。

 

 先ほどの質疑で質問者の方から「教育勅語は良いところなど何もない」という指摘があった。果たしてそうだろうか。

 

 教育勅語は1907年、英語に翻訳されると、国際的に高い評価を受けた。それによって、色んな言語に翻訳されたということだ。

 

 私が10年ほど前、戦後の教育行政に尽力した元文部官僚で教育学者の奥田真丈さん、この方はもうお亡くなりになってしまったが、そのご自宅を伺って、個別にインタビューしたことがある。

 

 奥田さんは生前、「教育勅語の内容は、学習指導要領の道徳に盛り込んである」と話していた。とても感銘を受けた。

 

 教育勅語に掲げられる徳目は、憲法や教育基本法と矛盾、対立するものではない。本市の教育関係者、学校の先生方におかれては是非、予断を持たずに公平な目で教育勅語そのものを読んでいただきたい。そのように要望する。

 

 

5.北朝鮮ミサイルへの対応

 

 北朝鮮の情勢が緊迫化しており、軍事的脅威は新しい段階に進んでいる。昨年は核実験を2回行い、23発の弾道ミサイル発射を強行した。今年は既に十数発の弾道ミサイルを発射している。あまりにも頻繁なので不感症になりがちだが、我が国に対する直接的な脅威だ。国連安保理決議に明確に違反しており、断じて許すことはできない。

 

 北朝鮮の朝鮮中央通信は3月6日に弾道ミサイル4発を同時に発射した際、「在日米軍基地を攻撃目標に想定して行われた」とする談話を発表し、在日米軍基地に初めて言及した。

 

 実際に北朝鮮がミサイル攻撃を在日米軍基地にするのだろうか。私はその可能性は限りなく低いと思う。本当にそんなことをすれば、在日米軍が反撃して北朝鮮は即座に崩壊する。戦後、軍事大国のアメリカに対し、自ら戦争をしかけた国はない。軍事力の圧倒的な差は抑止力になると考える。ことさら不安になる必要はないだろう。

 

 一方、北朝鮮が考えていることは誰も読めないのも事実だ。専門家の見立ては憶測や推測に過ぎない。ミサイルを撃たないと断定することもできない。東日本大震災も、「1000年に一度」という大規模災害が実際に数年前に起きた。行政にとって、市民の生命や財産を守ることは最重要の課題であり、大前提だ。万が一に備えて、事前に対策をすることに越したことはない。

  そこで3点伺う。

①万が一のミサイル飛来時に、市内で逃げる場所はどんなところが想定されているか?

②大和市は大地震に備えるためシェイクアウト訓練を行っているが、Jアラートを活用するなどした避難訓練はどうか?

③避難方法をHPにアップするだけではなく、広報や「やまとニュース」などで積極的に広報することが必要ではないか?

■市長室長(一括答弁)

 武力攻撃事態等が発生した場合の避難施設は、本市では市立小中学校、及び、大和市保健福祉センターが神奈川県の指定を受けており、国からの指示に基づき、安全な避難場所を状況に応じて開設する。

 

 次に、Jアラートによる訓練について、本市では、国が実施する一斉情報伝達訓練に毎年参加しており、緊急情報の受信とともに、防災行政無線や市役所本庁舎の庁内放送を自動作動させるなど有事に備えている。なお、Jアラートを想定した避難訓練は国の主導のもと、効果的に実施することが必要と考えており、引き続き、国、県の動向を注視して参る。

 

 弾道ミサイル落下時の行動について、国はできる限り頑丈な建物や地下に避難する。物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る。窓から離れるか、窓のない部屋に移動するといったことを原則としている。 

 

 本市では基本的な情報をホームページに掲載するとともに、内閣府のポータルサイトにリンクを貼るなど、市民の皆様への周知に務めているところだ。今後は、自主防災会等の様々な団体に対して、防災講話を実施する際にJアラートや弾道ミサイルへの説明をするなど、様々な機会を捉えて周知に努めて参る。

 

 

【意見・要望】

 答弁をいただいた。政府がまとめた「国民の保護に関する基本指針」では、避難住民を誘導する役割を持つ市町村が、「避難実施要領」を策定するよう求めている。神奈川県庁の危機管理対策課に県内19市の策定状況を問い合わせたところ、14市が作成済みで、1市が作成中ということだった。大和市は作成済みということでホッとした。

 

 本市の避難実施要領では、弾道ミサイル攻撃のパターンを明記。「国からミサイル発射の警報と避難措置の指示が同時に出されると考えられる」「ミサイル発射から避難までの時間的余裕がない」などの3点を記している。また、防災無線のサイレンを最大音量で鳴らし、避難方法を繰り返し放送する、といった手順を定めている。これは一市民としても知っておいた方が良い情報だと思う。

 

 北朝鮮のミサイルをめぐっては、ゴールデンウィークに東京の電車が止まったことがあった。「平和ボケ」を薦めるつもりはないが、過剰な対応や反応は控え、冷静に対処すべきだ。このように市側にも求めて小田博士の質問を終わる。ご清聴ありがとうございました。

 

(了)

平成29年9月議会

一般質問の動画はこちらから。インターネットエクスプローラ推奨です。

http://www.yamato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=59

 

 

1.健康創造都市で地方再生

 自民党・新政クラブでは今年の7月上旬、健康都市連合日本支部大会が開かれた北海道・網走市を視察した。同市は健康都市連合に加盟するだけあって、様々な健康づくりの取り組みを行っている。健康増進に向けて、特産物のアブラガニを題材にした「カニチョッ筋体操」を10年前に考案。市が実施したアンケートによると、高校3年生の約半数がこの体操を踊れると回答したということだ。ちなみに、大和市にも、東海大学との協働で制作した独自の「いきいき健康体操」がある。

 

 視察の際に伺った話によると、網走市では、大和市の取り組みを見習って、コンビニにおけるAED設置を進めたということだった。大和市の施策が先進的な取り組みとして評価をされ、他市にも影響を及ぼしていることは嬉しいことだ。

 

 この視察では、「環境モデル都市」の帯広市も訪問した。市内の新興住宅地では、太陽光パネルが多数設置されていた。帯広駅北口の前には「低炭素十勝に貢献」と題した建設会社の看板が掲げられており、官民一体となって環境モデル都市に取り組んでいる様子が窺えた。

 さて、大和市は「人の健康」「まちの健康」「社会の健康」の3本柱で、健康創造都市を掲げている。大和市の将来都市像を示し、それを実現するための長期的な施策の方向性を示す「第8次総合計画」(平成30年度までの10年間)に掲げている7つの目標も、この健康3本柱に分類している。

 大和市で最近始まった健康関連の取り組みでは、1カ月間に歩いた歩数をチーム対抗で争う「やまとウォーキンピック」が代表的だろう。第1回目は5月に行われ、来月には2回目が開かれる予定となっている。私の友人の一人も初回に参加したということだった。

 

 今年1月には健康ポイント事業も始まった。20ポイント貯めて応募すると抽選で100人に景品があたるということで、健康ポイントカードの応募は506枚に上ったということだ。この景品はコメ5キロで、千葉県産品ということだ。

 

 大和市が進める健康づくりの取り組みには先進的な内容も含まれる。「健康創造都市」を進めていくためには、市民は言うまでもなく、民間団体や事業者等も巻き込んで「街ぐるみ」としていくことが必要である。そのように私は考える。

 全国の自治体では、健康ポイント事業が広く行われている。栃木県の東部に位置する芳賀町では、商工会の協同組合が発行し、70ある町内外の加盟店で買い物をするとポイントがつく「ひばりカード」がある。これを町が実施する「健幸ポイント事業」と組み合わせ、健幸ポイント1ポイントをひばりカード1ポイント分として付与している。

 ひばりカードは100円の買い物で1ポイントつく。500ポイント貯まると満点になり、500円分のお買物券になる。つまり、1ポイントは1円相当の価値を持つということだ。健康事業などで貯めたポイントをお買物券に引き換えて、地元で消費すれば、地域経済振興にもつながる。

 

 千葉県松戸市では昨年4月、市民の健康づくりを応援する企業や団体などで構成される「健康松戸21応援団」が発足した。県が事業化している「健康ちば協力店」に登録する市内の飲食店のうち、「健康松戸21応援団」に登録した協力店は、健康マイルを付与している。健康マイルを貯めるために、市民が地元の飲食店を利用するといった経済効果が考えられるだろう。

 

 今日は手元に参考資料を配っている。左上に健康松戸21のステッカー(の写真)がある。私は、大和市においても、せっかく健康の取り組みを進めるのであれば、地域活性化にも活かすのがよいと考える。たとえば、健康ポイント制度の景品を地元の特産品とする。たとえば、市内で協力店を募集し、健康ポイント1ポイントを1円分の価値とみなして、地元の商店街で使えるようにする。たとえば、健康ポイント制度と連動した地域商品券を発行する。手法はいろいろ考えられるが、そんな取り組みが実現できれば、地域活性化や地方再生にも寄与し、一挙両得となるだろう。

 健康施策を活かした地域活性化と言えば、今月2日付の産経新聞朝刊の経済面に興味深い記事があった。

 

 記事によると、政府は来年度予算の概算要求で、独自のテーマを掲げて街づくりに取り組む自治体30カ所程度を「地方再生重点都市(仮称)」に指定し、国土交通省の社会資本整備総合交付金や内閣府の地方創生推進交付金を集中的に配分するということだ。大和市が応募する場合、「健康創造都市」をテーマとすることができるのではないか。

 

 そこで3点伺う。

 

①「健康創造都市やまと」を将来都市像に掲げ、市政運営を進める理由について

■市長

 私はかねてより誰もが共通して願う健康に光をあてることが何よりも大切であると考えてきた。そしてそのことが市民の幸せな生活の実現につながると信じ、市長就任に際して健康を基軸とした街づくりを進めていく決意をした。

 

 以前もこの本会議場でも何度となく申し上げているが、やはりお正月、初詣に行ったときに数千万人の方々が初詣に行くわけだ。初詣に行かない人の数の方が場合によっては少ないかもしれない。そういった非常に多くの方が初詣に行ったときに神様仏様にお願いする。心の中でしっかりお願いする。一年の初めに。ここには嘘はないと思う。その時に家族みんな、この1年間健康で元気にいられるように、あるいはご自身のことについても、この1年間健康でいられるようにと思う方が私は一番多いのではないかと思う。そういった思い。そういった市民の皆さんの最も大切な思い。これこそ、市政運営において最も大切にしていくべきではないかな、と思ったところだ。

 さて、この思いを具現化するため、平成21年3月に第8次大和市総合計画を策定し、都市の主人公である人、人々の暮らしと活動を支える場としてのまち、そして人と人のつながりのあるコミュニティーとしての社会の3つの健康領域が互いに関わりあい、健やかで安らかな生活をもたらす健康創造都市やまとの実現を目指すことにした。

 

 具体的な取り組みとしては、人の健康ではがん検診の充実など健康寿命の延伸に向けた事業や認知症施策をきめ細かく展開しているほか、待機児童ゼロの達成に代表されるように、少子化対策についても積極的に推進しているところだ。

 また、まちの健康においては、スタンドパイプ消火資機材の配布等による防火対策の強化を神奈川県内ではいち早く実行に踏み切ったところだ。また、コミュニティバスの運行も、充足度は神奈川県内で第一位になっている。移動しやすい都市空間の創出に努めているところだ。

 

 社会の健康では、開館以来多数多くの方にご利用いただいている文化創造拠点シリウスの整備など、市民の皆様にとって真に必要なものを見極めながら、将来都市像の実現に向けた施策を着実に積み重ねてきた。御存知のように、このシリウスは図書館を中心とした施設だが、やはり今までと違うところは何かというと、一部の方のための図書館ではなくてサイレントマジョリティー、多くの方がこの集っていただける図書館にしようと。ある意味においては居場所ということになる。おかげさまでご存知のようにもう既に、直近の数字だけ見ても、まだ1年経っていないが、260万人以上の方が訪れている。日本で今、200万人を超す施設はなかったわけなので、この日本の記録を大きく今、塗り替え、そして年間300万人も届くかどうかというところまで来ているところだ。

 

 さて、こうした市民生活に健康の視点から充実させる取り組みや暮らしやすい子育てしやすい街として、当市の魅力を高めることにもつながっており、全国の自治体が人口減少と少子高齢化への対応に苦慮するなか、本市の人口は微増傾向にあり、具体的に言えば、例えば、人口の増加には社会増と自然増がある。社会増はご存知のようによそから入ってくる方々、自然増は亡くなる方と生まれた方のさっぴきの数字となるが、問題は重要なのは自然増となる。この自然増においても、ある意味において1700ある自治体においても、おそらく20番以内、十数番目ではないかなと思う。また、合計特殊出生率も神奈川県内19市で現在トップ。少し前、大分前には神奈川県とほぼ同じぐらいだった、県の平均と同じぐらいだった大和市の合計特殊出生率だが、この直近の3年間を見ても、1位、2位、1位というような状況になっている。その成果というものが見える形で現れるようになってきているところでもある。

 

 つい先日、日本健康会議が開かれた。8月下旬に。これはどちらかというと財界を中心とする日本健康会議で名目的にはトップは厚生労働大臣、実質的なトップは財界のある面においてトップの方々という形になる。どちらかというと財界主導。今回、地方自治体も加わっての日本健康会議という会議が東京・日比谷公園のすぐ隣のイイノホールで開かれた。昔のイイノホールと違って、本当に素晴らしいホールになっていたわけだが、そこで午前中は2人の知事が、午後は3人の市長がそれぞれ、健康に関しての政策を発表した。その3人の市長のなかに、大和市が含まれたところでもある。終わった時の状況で言うと「非常に驚いた。大和市すごいですね」というようなことが、NHKの解説委員の方も来ておっしゃっていた。私どもが思っている以上に、非常に多くの反響があったところだ。

 

 さて、健康を基軸とした本市の市政運営は、昨年のWHOにおけるヘルスプロモーション国際会議への招待。これは3、4年に1回開かれるWHOのなかで最も大きな国際会議だ。第9回目になるが、今回は初めてこの健康に力を入れる都市がテーマだったわけだ。どちらかというと感染症だとか国レベルの話がWHOは多いが、今回初めて都市がテーマだった。そういった会議に招待されて、大和市の政策を、これも国際会議の場において発表した。このように海外からも評価されるようになってきているところだ。

 

 また、高齢化の進展等によって、人々の健康に対する意識が以前にもまして高まっている状況を踏まえると、これまで歩んできた道のりに間違いがなかったものと感じているところだ。今後も引き続き、人、まち、社会の健康を追求し、大和市に住んでいて良かったと感じていただけるよう、職員と力を合わせ、健康都市の実現に向け、一層力を注いでいく。

②健康ポイントを活用した地域振興について

 

■健康福祉部長

 自主的な健康づくりを促すために、健康ポイント制度を導入している自治体が増えており、本市でも本年1月から、ヤマトン健康ポイントを開始している。ヤマトン健康ポイントは3カ月に1回、抽選が行われ、何度でも応募ができることで、参加意欲を喚起する仕組みや、保健士や管理栄養士と話し合って目標等を設定し、その取り組み状況を確認していくといった健康づくりの習慣化支援に対してポイントを付与するなど、本市独自の特色がある。

 

 他の自治体の健康ポイント制度の内容についても、導入しているそれぞれの自治体で特徴があり、企業からの協賛品や地元産の農作物、商品券などを還元品としている自治体や、民間のスポーツジムの利用などにポイントを付与しているなど、様々な事例がある。

 ご提案いただいた健康ポイントを活用した地域振興については、地域振興のみならず健康ポイントへの参加に広がりをもたらす効果が見込まれる側面もある。しかしながら、本市の健康ポイント事業は本年1月から開始して事業の効果や参加者のご意見等を検証している段階であり、加えて、地域振興に役立つ還元品を提供するには、地元企業や商店街の方たちのご協力が不可欠となることから、地域振興を加味した健康ポイントについては、今後、調査研究していく。

 

③「地方再生重点都市」の取り組み支援制度について

 

■街づくり計画部長

 ご質問にあった地方再生重点都市の取り組み支援制度は来年度から国土交通省が内閣府と連携して、地方活性化に取り組む自治体にハード、ソフト両面から総合的に支援を行うため、全国から30自治体程度を選定し、交付金を集中配分する新たな施策として検討が進められているものだ。現時点では対象となる自治体の条件や選定方法など詳細が明らかになっていないため、今後、国の動向を注視していく。

 

 

【答弁を受けた意見・要望】

 大変丁寧な答弁をいただいた。市長からは「これまでの道のりについては間違えていなかった。職員と力を合わせて一層力を入れていきたい」という決意の表明があった。健康ポイントを活用した地域振興については、部長から「調査研究していく」ということだった。

 先にご紹介した「健康松戸21応援団」には医療団体、企業や学校、スポーツジムやフィットネスクラブ、健康ちば協力店の飲食店、自治会など様々な団体が加入している。

 

 今回の質問を準備するにあたって、松戸市役所や市内のお店を個人的に訪れたが、協力店にはステッカーがきちんと貼られていた。店主さんの話では、「協力店として市の広報などにお店の名前が掲載され、無料で宣伝してもらえる効果がある」ということだった。

 

 ちなみに、大和市にも「健康都市シンボルマーク」があり、市の封筒などに使われている。たとえばこのマークに「協力」とか「賛同」とかの文字を入れて、地元の事業者にも使ってもらえれば、街ぐるみで健康都市を進めているという実感が沸く。

 

 繰り返しになるが、健康創造都市を進めていく上では、健康づくりだけでなく地域活性化も組み合わせていただきたい。街ぐるみとなるようにしてほしい。タテ割りを排除し、部署横断的に取り組んでほしい。そのように要望する。

 

 

 

2.おひとりさま対策 

 市長は今年3月の市議会定例会における所信表明演説で「単身世帯の増加は続き、いわゆる『おひとりさま』社会は、今後ますます進展していくことも予想される」と述べた。そのうえで、「今後も人口減少による世帯の変化を的確に捉え、市民生活を豊かにしていくために必要な施策について積極的に考える」と表明した。

 

 「おひとりさま」、つまり単身者は大きく分けて、①結婚しないために未婚が続いている②結婚したものの配偶者との死別や離婚に伴って単身に戻った-の2つに分類できるだろう。死別や離婚は高齢者に多いと考えられる。

 先ほどの質問でも紹介があったが、大和市が昨年7月に始めた葬儀生前契約の支援は、老後を一人で暮らし身寄りがない単身者を主なターゲットとした事業だ。先ほどの一般質問での答弁によると、180件を超す相談があるということだった。

 

 単身者は一般的に同居する家族がいない。失業や病気、事故があった場合に、支えてくれる人がいなければ、貧困に陥ってしまうかもしれない。「おひとりさま」への対策は、少子高齢化が進むなかで大きな課題となってくるだろう。

 

 さて、今回の質問では、自分が42歳にして独身であることを踏まえ、その是非はさておき、高齢ではない未婚の単身者に焦点をあてたい。

 

 一人暮らしの生活を送る中で、困ることは何だろうか。たとえば、自宅で何か料理をしようとすると、スーパーで売られている野菜や肉などは量が多い。2、3人分の料理をまとめてつくれば、その日の夜、翌朝、さらにはその翌日にわたって同じ食事を食べ続けなければならないこともあるだろう。

 

 私の場合、もっとも不便に感じるのは、宅配物の受け取りだ。私はインターネット通販大手のAmazonをよく利用する。配送物のサイズがポストに入らない場合などには、本人が直接受け取らなければならないことがある。私が自宅を留守にしているときに配達があれば、「不在連絡票」をいただく。皆さんも見られていると思うが、こういう連絡票が、この定例会の会期中にも、私はいくつか入っていた。ヤマト運輸と日本郵政だったが、一つの荷物は昨日夜、郵便局に取りに行った。

 

 宅急便の再配達は利用者にとって大変有難い制度だ。ただ、再配達を希望する時間帯には数時間の幅がある。荷物を受け取るだけのために自宅に待機していなければならず、身動きがとりづらくなる。

 このような不便さを解消しようと、最近の新築マンションでは宅配ロッカーを設置しているところが増えてきている。ただ、古いマンションやアパートはそうではない。

 

 インターネット通販の進展に伴い、宅配数が急増している。国土交通省の7月の発表によると、昨年度の宅配便の取り扱い個数は40億個を突破。前年度と比べて約2億7000万個、率にして7.3%増えた。驚異的な伸び率だ。国交省の試算によると、再配達が配送全体の約2割を占めるということだ。

 

 宅配業者が労苦を強いられているのは民間企業、業界の問題だが、住民の利便性を向上させるのは行政の役割でもある。再配達が減れば、その分、車の走行距離が減るのでCO2の削減にもつながる。

 他の自治体では、千葉市が今年4月から、千葉都市モノレールの駅構内や区役所など6カ所に宅配ロッカーを設置した。他にも追随するところが出ている。

 参考資料の写真をご覧ください。千葉市の美浜区役所の入り口近くには、宅配ロッカーが置かれている。ここはどなたでも24時間365日出入りできるスペースだ。

 

 資料にある表をご覧ください。ここでは、平成27年国勢調査に基づき、県内19市の状況を2つのデータで比較した。本市において、一人暮らし、いわゆる「おひとりさま」である単独世帯の割合は全体の35.4%を占める。県内19市のなかでは川崎市、横浜市に次いで3番目に高い結果となっている。

 

 昼夜間人口比率を比べてみよう。昼夜間人口比率とは、夜間人口(常住人口)100人あたりの昼間人口(通勤・通学人口)の割合のことだ。この比率が大きいほど、市内で仕事や勉学をする機会が多く、まちが賑わっているとされる。大和市は84.3%で県平均より6.9ポイント低く、県内19市では茅ケ崎、逗子、座間に次いで4番目に低い結果となっている。

 

 資料に示してはいないが、大和市の流出人口は常住人口の32.1%を占めている。つまり、3人に1人は日中、通勤や通学などで市外に出ていることになる。これは県内19市のうち逗子、川崎、横浜、座間に次いで5番目に高い数値だ。

 

 これらのデータを踏まえると、大和市は、昼は市外に出かけ夜に自宅に帰宅する「ベッドタウンのまち」としての色彩が強いということが改めて確認できる。ということは、単身世帯、いわゆる「おひとりさま」を中心として、宅配ロッカーの需要は大きいと推測できる。宅配ロッカーが駅構内や駅に近い公共施設にあると大変便利なのではないか。

 

 そこで1点伺う。

 

①宅配ロッカーを駅に近い市の分室や連絡所などに設置できないか。

 

■市民経済部長

 宅配事業において再配達が大きな課題となっていることは承知しているが、事業者はこの解消のため、鉄道駅構内やコンビニ等に24時間受け取り可能な宅配ロッカーを設置しており、このサービスは年々拡大している。分室や連絡所は駅の至近ではあるが、開館が限られており、利用者のニーズに応えることは難しいと考えているので、当面は民間サービスの動向を注視していく。

 

【答弁を受けた意見・要望】

 答弁をいただいた。部長からは「開館時間が限られているので、当面は民間サービスの動向を注視する」ということだった。

 

 宅配大手、ヤマト運輸のホームページによると、大和市内では、中央林間の商業施設「LAPLA」、大和駅近くの「ドキわくランド」、つきみ野と深見のヤマト運輸のセンターの計4カ所に、宅配ロッカーが設置されている。ただ、南部には設置されていないようだ。

 千葉市にロッカーを設置した経緯を尋ねたところ、業者から持ちかけられ、市で駅近の公共施設などを選んだということだった。業者が置くので費用はかからず、場所を貸すので若干の賃料が入るそうだ。

 

 市財政の懐が痛むわけでもないし、住民サービスの向上に寄与する。大和市への引っ越しを検討している「おひとりさま」が、本市を選ぶ一つの理由になるかもしれない。是非、適地を選んで設置を検討し、業者に対して行政から声をかけていただきたい。そのように要望する。

 

3.住民参加型アプリ 

 

 市議会議員をしていると、「横断歩道の白線を塗り直してほしい」とか「樹木を伐採してほしい」とか、「道路の陥没を直してほしい」といった陳情・要望をよく受ける。その都度、文書化して行政に住民の声を届けている。まれに省略して口頭で伝えるときもあるが、その場合、課題が見つかった場所について伝達ミスが生じてしまうこともある。

 市議会議員の仕事は、市民の声を届けることだ。もちろん、その作業を厭うているわけではない。だが、本来、この手の単純な通報は、議員を介さず、住民が直接行ったほうが合理的だと考える。市民が街のインフラの不具合を気軽に通報できるシステムが整備されていると市民として有難いと思う。

 

 千葉市では平成26年9月から、「ちばレポ」と題したアプリの本格運用を始めた。道路が傷んでいる、公園のベンチが壊れているといった行政が管理する施設の不具合を市民が見つけ次第、スマートフォンのアプリで写真を撮り、通報する取り組みだ。写真は、カーナビなどで使われるGPS機能を活用しており、現場を簡単に特定できる。

 

 通報を受けて、市役所の各担当部署は課題をモニターし、修繕や整備を行う。千葉市の説明によると、通報の半数近くが、1週間以内に対応済みになるということだ。

 「ちばレポ」のメリットは、市民が手軽に通報できることだ。写真さえ先に撮影しておけば、レポート文の作成作業は通勤途中の電車内でも構わない。

 

 住民がいつ、どこで何を要望し、行政側がどのような経過を踏まえていつ対応したのか。これらを誰もが見ることができる。プロセスが「見える化」されるため、行政側は対応を先送りしにくくなる。市民が見つけた課題を市民同士で、また行政と共有することができる。

 

 「ちばレポ」で実際に通報するには、レポーターとしての参加登録が必要だが、登録者数は今年6月末までの累計で5000人弱に上っているということだ。レポートの件数もこれまでに5000件を超えた。これは千葉市の人口約100万人の0.5%に相当する。

 さて、大和市の都市施設部がまとめた「平成28年版道路の概要」によると、本市における道路補修に関する通報や要望は1年間におおむね2000件に上る。公園関係も加えれば、通報や要望の総数はもっと多くなるだろう。これは大きな数字と思う。

 そこで2点伺う。

 

①道路の補修要望の対応について

 

■都市施設部長

 道路の破損個所などの補修要望については、自治会や議員の皆様からの情報提供をはじめ、電話やファクシミリ、FAQシステム、窓口や市長への手紙などの手段により、市民の皆様などから広く要望をいただいている。この情報をもとに現場状況を確認し、道路の陥没など通行に大きな支障をきたす恐れのあるものや、事故を誘発してしまう不具合については、職員が応急対応を行っている。また、補修が広範囲に及ぶものや樹木剪定等については、主に専門業者により実施しているところだ。

 寄せられたご要望等については、日頃のパトロールだけでは見つけることが困難な不具合箇所や危険個所の早期発見、早期対応につながっている。今後も、市民の皆様からの貴重な情報に対して、迅速な対応に努め、事故の未然防止につなげていきたいと考えている。

 

②「ちばレポ」のようなアプリを本市でも導入できないか

 

■政策部長

 「ちばレポ」は市民が市へ通報するだけでなく、地域への課題を市民間で共有し、課題解決に向けた取り組みについて市民自らが行うことにより、協働のまちづくりを目指すことが基本理念となっている。しかしながら、導入当初、話題性はあったものの、参加登録者は伸び悩み、システムだけでは市民のまちづくりへの参加意識を高めるには限界があり、費用対効果からも導入効果が見込めない状況であると捉えている。

 

 本市では「ちばレポ」のような市民からの通報機能として、今年4月からFAQシステムにおいて、スマートフォンに対応した画面構成や写真の撮影機能を搭載しているが、今後も住民参加型の動向などを踏まえながら、引き続き、市民の方々が容易にお問合せできるよう取り組んでいきたい。

 

 

【答弁を受けた意見・要望】

 答弁をいただいた。「ちばレポ」は通報アプリであると同時に、これまでクローズな情報をオープンにするという効果がある。市民みなさんで課題を共有し、市民協働のもとに解決できるわけだ。この仕組みは、市民に対して「街を良くしたい」という意欲を促す効果がある。

 

 さきほど、「まだまだ人数が少ない。効果が不十分だ」というような話があったが、5000人が登録している。人口の0.5%が登録しているというのは、私は大きな数字だと思っている。

 なお、千葉市の場合、肖像権の問題等は、職員がチェックして問題があればその部分を削除するという対応をとっている。レポーターは実名や住所、電話番号を登録している。匿名ではないため、悪質ないたずらは1件しか発生していないということだった。

 

 千葉市では現在、東大などと連携し、次世代型の「ちばレポ」の開発に取り組んでいる。アプリのプラットフォームはオープンソースで開放していく方針だそうだ。現行では開発費が高いという印象を受けるが、低コスト化の実現は遠くないだろう。

 この取り組みは、いわゆる「オープンガバメント」、開かれた行政にも寄与する。本市で導入しているFAQとは似て非なるものだ。このようなアプリを今すぐに導入する予定がないにしても、中長期的に検討していただけるよう要望する。

 

 

4.教育問題 

(1)まちづくり学習

 先日、ある勉強会で「OPoSSuM」(オポッサム)という耳慣れない言葉を知る機会があった。日本語ではフクロネズミと訳されるが、ここで使われている意味は異なっている。「Open Project on Stock Sustainability Management」の略であり、日本語では「地域ストック持続可能性マネジメント」となる。

 これは千葉大学大学院人文社会科学研究科の倉坂秀史(くらさか・ひでふみ)教授を代表とする研究開発プロジェクトのニックネームであり、国立研究開発法人・科学技術振興機構(JST)の研究開発領域に採択されている。

 

 このプロジェクトでは、人口減少社会に突入して日本が転機を迎えるなか、現在の傾向が続いた場合に将来どうなるかをデータ化する「未来カルテ」を発行。より良い未来のために今できることを学ぶ「未来ワークショップ」を開いている。

 

 千葉県の市原市、八千代市、館山市では、平成27年から29年にかけて、この「未来ワークショップ」を実施した。具体的には、公募や依頼で集まった地元の中高生が、「2040年の未来の市長に就任した」といった設定で、高齢者問題、農業、空き家対策、介護をはじめとして、自分たちのまちの将来像を研究。本物の市長に政策を提言した。

 

 政府による「地方創生」の掛け声のもと、大和市も昨年春、人口ビジョンや総合戦略を策定した。このオポッサム・プロジェクトは、それと似たような作業を中高生らが1日や2日で行ったと言える。

 私はこの取り組みを知って、「自分が学生だった頃はこんな学習はなかったなぁ。大和市でもこんな教育が行えればよいなぁ」と率直に感じた。

 子供たちが自分の住むまちの将来の課題を学ぶことは、地域に関心を持たせるだけではなく、客観的データに基づき物事を分析する力を育むことができる。わがまちの魅力を再発見できれば、郷土愛を培うことにも寄与する。誇りと愛着を持つことができるまちを次世代につなげていくことができるだろう。

 

 大和市も似たようなイベントとして「やまと市民討議会」を平成24年度以降、開催している。昨年度は、「人口減少への対策」と「防災力向上」を題材に討議した。それぞれ20数人の市民と高校生12人が参加したという。これは好評のようで、大和市議会の今定例会の総務委員会の審議でも、評価する声が挙がっていた。

 そこで2点伺う。

 

①市内の小中学校におけるまちづくり学習の現状について

②子どもたちを対象としたワークショップを開催できないか

■教育部長(一括答弁)

 学校教育において、まちづくり学習という位置づけはないが、地域学習として社会科や総合的な学習の時間などで「副読本やまと」を活用した授業を展開しているほか、学区探検や職業体験等体験活動を通して児童・生徒は地域の様子を学んでいる。

 

 現時点では広く市内の小中学生を集めたまちづくりについてのワークショップを開催する予定はないが、各小中学校では、本市の課題を取り上げながら、ワークショップを含めた様々な手法を使った授業を行うことで、地域を知り、郷土愛を育む学習に取り組んでいる。

 

【答弁を受けた意見・要望】

 答弁をいただいた。大和市の教育委員会が発行する小学校社会科副読本「やまと」を読んでみた。これは3、4年生を対象としているが、大変よくまとまっており、優れた教材だと思った。市議会議員としても勉強になる。この副読本を活かした地域学習は積極的に行ってほしい。そう考えるが、それに加えて、「わがまち大和をどうすればよいか」と子供たちに考えさせることも有意義だ。

 

 本市は再来年の2月1日に市制60周年を迎える。まだ先の話ではあるが、様々な関連イベントが開かれるのだろう。私も委員として議論に参加した大和市議会の議会改革実行委員会では今年4月、記念行事として「こども議会」を実施することを全会一致で合意した。開催時期や内容、詳細については、「適時の代表者会議で協議する」ということになっている。

 

 私としては、このようなワークショップでまとめた子供たちの提言を、この議会でこども議会を開いて、組み合わせたらよいのではないのか、と想像した。この本会議場で市長に直接提言したり質疑できたりすれば、子供たちにとっては生涯忘れない思い出となる、とも考えた。

 

 教育のテーマからは外れるが、市制60周年事業は夢のあるイベントにしてほしい。そのように要望する。

 

5.市議会議員選挙での選挙運動用ビラの解禁 

 この6月に閉会した通常国会で、改正公職選挙法が成立した。これに伴って、これまで国政選挙と地方の首長選挙で配布が認められていた選挙運動用のビラについて、町村を除く地方議員選挙でビラが解禁されることになる。改正公選法は平成31年3月から施行されることとなっており、事実上、次の統一地方選挙から適用される。新聞報道の扱いはおおむね小さかったが、対象となるわれわれ市議会議員にとっては大きな話だ。

 選挙期間中に配ることができる選挙運動用ビラの上限枚数は、候補者1人につき、都道府県議会は1万6000枚、政令市議会は8000枚、それ以外の市議会、つまり大和市もここだが、4000枚となる。いずれも、選挙運動用ハガキの2倍の枚数となっている。

 

 この法改正については、大いに支持するところだ。政令市を除く市議会議員選挙は、基本的に大選挙区制となっているから、有権者は多くの立候補者のなかから1人しか選ぶことができない。有権者の大半にとっては「誰に投票してよいかわからない」というのが本音だろう。そのような中、選挙運動用ビラが解禁されれば、選挙期間中に多くの方に、政治理念や主張、政策を知ってもらうことができる。このビラを「ローカル・マニフェスト」と呼ぶのは大袈裟だと思うが、選挙運動用ビラの解禁によって、政策本位の選挙戦に一歩近づくことができる。

 

 さて、改正公選法では「都道府県や市は、それぞれ条例で定めるところにより、ビラ作成について無料とすることができる」と規定している。つまり、平成31年の統一地方選挙までの間に、条例制定の準備が必要となる。本市の場合、「大和市議会議員及び大和市長選挙における選挙運動の公費負担に関する条例」、いわゆる「公費負担の条例」の改正について、議会で合意形成を図る必要が出てくる。

 

 そこで2点伺う。

①選挙運動用ビラへの公費負担について

②公費負担条例の改正時期の見通しについて

■選挙管理委員会事務局長(一括答弁)

 選挙運動用のビラはこれまで市議会議員選挙では頒布することができなかったが、本年6月の公職選挙法の一部改正に伴い、市議会議員選挙においても、2種類以内で4000枚を上限に街頭演説や個人演説会場などで頒布することが認められることになった。また、この選挙運動用ビラの作成費ついては、地方自治体の条例で定めることにより、公費負担の対象とすることができる。選挙運動費用の公費負担は、お金のかからない選挙の実現および候補者間の選挙運動の機会均等をはかるという趣旨であることから、選挙運動用ビラの作成費についても、公費負担とする条例改正を行っていく。

 

 なお、公費負担条例の改正の時期については、現在、国がビラの作成単価を定めるなどの公職選挙法施行令等所要の改正を行っているところであり、今後、その詳細が通知されることとなっているので、国の動向を注視しながら、通知後の適切な時期に改正し、平成31年4月執行予定の市議会議員選挙から実施する予定だ。

 

【答弁を受けた意見・要望】

 答弁をいただいた。「選挙運動用のビラについては、公費負担とする条例改正を行う」という趣旨の答弁だった。選挙はなるべく、お金がかからないようにすることが理想だ。とはいえ、実際には有形無形の経費が多くかかってしまう。「富裕層は有利、貧困層は不利」とならないよう機会均等をはかっていくことが大切だ。そのためには、選挙にかかる費用のなかで、公営の対象を広げていく必要がある。これは法律の問題が、そのように私は考える。

 

 高知県大川村では、議員のなり手不足から議会を廃止して有権者全員で協議する「町村総会」の導入が検討された。結局、大川村議会の議会運営委員会では「議会を維持できる」と結論づけて、導入の検討作業を先送りする方針を示した。議会が維持される方向になり、同じ地方議員としては安堵した。

 

 だが、今回の一連の動きは、過疎化が進む地域では議員のなり手不足が深刻化しているという実態を浮き彫りにしている。

 

 議員のなり手不足を防ぐには、住民と行政のパイプ役、住民の代表としての議員という仕事をより魅力的にしていかなければならない。そのためには、それに応じた処遇改善、必要な環境整備も欠かせない。

 

 これ以上、話してしまうと議会改革の分野になるので、この程度にとどめるが、そのようなことを訴えて質問を終わらせていただく。ご清聴ありがとうございました。

 

(了)