大和市議会 小田の一般質問

 *本会議場での実際の質問では、私の場合はテーマごとに、まとめて質問し、行政側もまとめて答弁しています。このHPでは分かりやすさを重視して一問一答方式のように再編集し、質問の直後に答弁を記しています。なので、動画とは若干食い違う箇所があります。議事録は市議会HPの会議録でもご覧になることができます。

 *市議会HPでは、過去1年分の動画を公開しています。それ以前のものは見ることができませんのでご了承ください。

令和4年6月議会

一般質問の動画はこちらから。

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1.大規模停電への備え

 

 今年3月16日、福島県沖を震源とする地震が発生し、東日本エリアで停電が発生しました。東京電力管内で最大210万軒、東北電力管内で最大約16万軒が被害を受けました。地震の影響で11カ所の火力発電所が緊急停止したことで供給力が失われ、電力システムを保護するための周波数低下リレーが作動したことが原因です。真冬並みの寒さで電力需要が大幅に増えた同月22日には需給逼迫が生じ、電力需給逼迫警報が初めて発令されました。東京電力や東北電力の管内の住民は節電を要請されました。

 

 電気は基本的に貯めることができないので、電力システムにおいては、「同時同量の原則」があります。一つの送配電ネットワークの中で発電される電気と消費される電気の量が常に一致していなければなりません。このため、電力の需要が供給を上回って需給バランスが崩れると、停電が起きる可能性があります。政府は脱炭素社会への移行を目指しており、CO2を排出する火力発電を縮小させて、再生可能エネルギーの普及を進めています。

 

 ですが、再生可能エネルギーは出力が不安定です。太陽光発電の場合、お日様が出ない夜には発電できません。日中も、曇りや雨だと発電力が低下します。太陽光発電の比重が高まれば、CO2削減には寄与するものの、電力系統全体にとっては不安定な要素となります。火力、水力、原子力発電は回転エネルギーを持つ同期電源であり、電源脱落等の際に周波数の低下を緩和できます。一方、太陽光発電や風力発電はそのような機能を持っていません。つまり、再エネの導入が進むほど、電源ネットワーク全体の慣性力が不足します。大規模停電のリスクは高まります。

 

 この夏や冬には電力が不足するとみられています。「大企業などを対象とした電気使用制限の発令や、計画停電の実施もあるかもしれない」と報じられています。これは、大規模停電のリスクが高まっていることの裏返しでもあります。国民の一人として節電に協力したいとは思いますが、電力消費の大半は工場や企業が占めます。家庭の比重は高くはありません。企業や事業所等の対応が重要であり、経済活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

 さて、過去の歴史を振り返ると、大きな天変地異が発生しなくても大規模停電は生じています。1987年の停電は、異常な猛暑によって冷房需要が急増したことが原因でした。クレーン船の送電線接触や、飛行機墜落事故による送電線断線が発端だったこともあります。

 

 大和市内への影響はありませんでしたが、最近では5月13日深夜から14日未明にかけて、横浜市青葉区、都筑区、緑区、川崎市麻生区などで6万9000軒が一時停電しました。川崎市が発注した水道工事で、委託先の業者が地中の送電線を誤って損傷してしまったことが発端だったそうです。一昨年9月に千葉県を中心に起きた大規模停電は、台風の影響で鉄塔が倒壊したことが原因でした。地震や電力不足といった非常事態にならなくても、停電のリスクは常にあります。備えを欠かすことはできません。

 

 仮に電気が停まったら、どうなるでしょうか。家庭では、室内の照明が点きません。冷暖房も使えません。冷蔵庫の中に詰めた食品は冷蔵、冷凍できなくなります。災害情報に強い公共放送のNHKから情報を得ようとしても、テレビはつきません。WIFIもつながらなくなります。固定電話も使えません。基地局が止まれば、携帯電話も使えないでしょう。

 

 コンビニを利用しようと思っても、一時的に閉店しているかもしれません。電子決済も利用できなくなります。交通機関では電車が止まります。信号が機能しないと、交通事故の危険性が高まります。バスは運行しないかもしれません。

 

 生活に欠かせない3大インフラは電気、ガス、水道と言われますが、電気はとりわけ非常に多くのウェイトを占めています。それほど、私たちの暮らしの基盤となっています。

 

 2018年9月の北海道胆振東部地震によって生じた全道的なブラックアウトは記憶に新しいです。この教訓を学ぶことも重要です。

 

 北海道が公表する資料や地元紙が出版した書籍などを読みますと、ブラックアウトが発生した際、市民は家庭でテレビを観ることができず、ニュースなどはスマホ、ワンセグテレビ、ラジオで視聴したということです。物流はストップし、物資の搬出、輸送が困難となりました。停電を原因とした断水も発生しました。自治体や市民が頼りにすべきコミュニティFMも一部が停波しました。

 

 災害時の拠点となる自治体には、スマートフォンなどを充電するための電源を求めて、多くの住民が詰めかけました。自治体の職員は衛星無線などを使用できたものの、光回線を使えず、多くの職員はパソコンを使うことができなかったそうです。

 

 停電期間が41時間と長期に及んだことで、道内の病院では透析治療、人工呼吸器の管理や通常診療体制にも大きな影響が出ました。病院の非常用電源設備に必要な燃料も入手困難になりました。

 

 ただ、EMIS(イーミス)と呼ばれる広域災害救急医療情報システムを活用することで、透析治療や人工呼吸器患者の治療継続に向けた患者の搬送を速やかに行うことができたそうです。EMISを簡単に説明しますと、災害時における適切な情報の収集・提供を目的とし、医療機関の患者受け入れ可否の照会、病院の被災状況や稼働可能な職員を確認するシステムです。災害時に医療機関同士がお互いに連携するための仕組みです。大和市の市立病院もこのシステムを有効活用することが求められます。

 

 市内で万が一、大規模停電が起きた場合に、可能な限り被害を縮減できるよう事前に備えておくことは大切です。そこで7点伺います。

 

①大規模停電発生時の大和市の取り組みについて

■市長

 平成30年北海道胆振東部地震では火力発電所の停止により、急激に電力需給バランスが崩れ、最大で約295万世帯が停電し、公共インフラにも重大な打撃がありました。

 また、令和元年台風15号では、千葉県を中心に強風によります大規模停電が発生し、復旧までに非常に長い期間を要しています。

 最近では今年の5月13日に横浜市、川崎市を中心として、送電線の損傷を原因とする停電が発生し、小田急線が一部不通になるなどの影響が出たことも記憶に新しいところです。

 このように大規模停電は様々な原因により、いつなんどき発生するかわからない状況ですので、本市としては災害対策本部を設置する市役所本庁舎や市立病院、避難所となる市立小中学校の体育館をはじめ、主要な施設に自家発電装置を設置するなど、大規模停電の発生に備えた取り組みを行っているところです。

 また市民の皆様に対しても、懐中電灯や電池の備蓄、防災情報等を取得するためのスマートフォン等の予備バッテリーの用意をお願いするとともに、共同住宅では停電による断水に備えた水の確保など、きめ細かい啓発を防災講話などの機会を捉えて行っているところです。

 

②市役所の非常用電源について

■総務部長

 平成30年度に設置した本庁舎の非常用発電機は、国が推奨する72時間を超える稼働が可能な能力を有しております。

 

③市民に供給できる電源について

④非常時の通信手段について

■市長(一括答弁)

 北海道の大規模停電の教訓として、市民、職員を問わず個人で所有するスマートフォン等による通信手段が、災害情報の収集や連絡業務に大変重要な役割を果たしています。こうした状況も踏まえて、学校等の避難所やシリウス、ポラリスなどの駅周辺施設については自家発電装置の設置とともに、スマートフォン等の充電ケーブルを備蓄するなど、停電時にも多くの方の情報端末に給電できるよう備えているところです。

 また、これらの自家発電装置で電力が不足する場合に備えて、電力会社に対し、電源車などの移動電源を供給するよう発災後、速やかに要請を行っていきます。

 さらに、通信基地局の被災等による通常の通信手段が遮断された場合も、他の自治体や関係機関との連絡のため、衛星電話及び優先系と衛星系に対応した神奈川県防災行政通信網を使用するとともに、各施設に配備したMCA無線により通信手段を確保していきます。

 今後も大規模停電の教訓を踏まえて、備蓄等に関する啓発を進め、電源設備や通信手段の確保、訓練などソフト、ハードの両面から大規模停電への備えに努めていきたいと考えております。

 

⑤市立病院の非常用電源について

■病院事務局長

 当院では、大規模停電が起きた場合でも、医療の提供を継続できるよう、72時間を超える稼働に必要となる非常用発電機用の重油を備蓄しております。また、停電時に瞬時に作動する無停電電源装置を備えているため、非常用発電機が稼働するまでの間も主要な設備、医療機器等の電気が途絶えることはありません。

 

⑥衛星電話によるEMIS接続について

■病院事務局長

 当院では、通常の通信回線が使用できない場合にも、広域災害救急医療情報システム、EMISへの接続が可能になるよう、衛星電話を2台保有しております。院内で毎年実施している防災訓練の際には衛星電話を用いたEMISへの接続や入力方法の確認を行うなど、非常時に迅速に対応できるよう訓練に努めているところです。

 

⑦電源が切れた場合の重症患者等の搬送体制について

■病院事務局長   

 災害拠点病院である当院において、非常用発電機の備蓄燃料が不足する場合には優先的に供給されることになっております。万一、災害等の状況により、燃料の供給がされず電源が喪失し、重症患者等の治療が困難になった場合には、EMIS等の体制が整備されていることから、当院としてもそれらを活用し、県等との連携のもと、迅速に患者搬送を行っていきます。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。政府は市町村に対し、最低72時間の連続稼働が可能な非常用電源の整備を求めています。総務省消防庁の令和元年6月の調査によると、この目安をクリアしているのは全国の市区町村の半数に達していないです。神奈川県内の19市でも達成しているのは11市のみで、横須賀、鎌倉、小田原、秦野、厚木、伊勢原、座間、南足柄は未達成となっています。大和市は3日分の非常用電源は確保しているということで、その点は安心しました。病院についてもEMISの訓練を行っており、非常時の電源は途絶えないということでした。

 

 ただ、油断はできません。北海道のブラックアウトでは、信号がつかない状況下で運転手の確保ができないとして、札幌地区トラック協会と締結していた災害協定が機能しない地域がありました。これは札幌市の事例ですが、せっかく確保した物資を避難所に輸送できないため、最終的に自衛隊に輸送を要請したということです。

 

 災害協定を結んでいても、定期的にシミュレーションしたり、日頃から連絡を密にしたりしていないと、机上の空論になってしまうかもしれません。

 

 大和市が今年3月にまとめた「国土強靭化計画」では「二次災害発生の防止対策や、復旧・供給再開に協力できるよう関係事業者との連携強化に努めます」と記しています。北海道の教訓を他山の石として、「使える協定」とすべく、関係事業者との連携も密にしてほしいと要望します。

 

 代替電源の確保や市民向けの電源についても、抜かりがないように対応をお願いします。

 

 発災時の行政の広報体制ですが、停電や震災発生時のホームページをあらかじめ準備しておくことも一案です。たとえば、新聞社では有名人がお亡くなりになったときに号外を発行することがありますが、その紙面は実はあらかじめ予定稿を作成することで、既に出来上がっています。行政のホームページでも同様に、万が一の事態が生じたときに速やかに広報できるよう、ワンストップで理解できるページを予め準備しておくことも大切です。新型コロナでもそうでしたが、非常時には自治体のホームページを観る人が急増します。住民が欲する情報を速やかに発信できる体制を確保しておく必要があります。

 

 非常時の広報ではツイッターも有用です。ただ、ツイッター上ではデマが拡散することも多々あります。デマの打ち消しも含め、住民が過度に不安に陥らず、確度の高い情報を十分に得られるように、情報発信の在り方についても留意していただければと存じます。

 

 以上、大規模停電に対する死角がないか、素人なりに簡単に検証しました。北海道のブラックアウトは言い方は悪いですが、格好の教材でもあります。是非、調査研究を入念に進めて本市の対応に生かしてほしいと考えます。

 

 我々市民としても、たまには自宅のブレーカーを落として「セルフ停電」してみて、停電時に何が必要になるのかを想定しておくことも良いかと思います。

 

2.終活支援

 

 今定例会には、おひとりさま支援条例の議案が上程されています。これと対をなすのが、昨年に成立した終活支援条例です。条例化することの是非論はさておき、本市で行っている終活支援事業は高い評価を受けています。一例を挙げると、終活コンシェルジュを配置し、エンディングノートを配っています。内容や担当部署は異なりますが、遺族が行う様々な事務手続きを案内する「ご遺族支援コーナー」については、「複雑な手続きが楽になって有難い」。このような声を耳にします。

 

 さて、私は40歳代後半で人生の折り返し地点を過ぎましたが、周りではお亡くなりになる方もいらっしゃいます。人間の生き死について意識し始める年齢となってきました。

 

 「死を考える」と言うと暗いイメージが漂います。一般的には忌避されがちなテーマです。一方、死を考えることは生を見つめ直すことにもつながります。たとえば、自分が死んだときに誰に連絡するか。これを考えることは、自分と親しい関係の方、自分が亡くなった時に悲しんでくれる方がどの程度いるのかを精査する作業です。自らの交流関係を洗い直すことでもあります。

 

 もし残りの命が1年しかないと告げられたら、皆さんは何をしたいでしょうか。人によって答えはそれぞれでしょう。闘病生活で余裕がない方もいらっしゃるかもしれませんが、精一杯、好きなことをしたい。何か残しておきたいと考える人も多いのではないでしょうか。

 

 繰り返しになりますが、死と生とは隣り合わせです。死を意識することで、自分の生き方を問い直すことができます。これが死生学の教えです。

 

 私が通った大学はキリスト教系の学校でしたが、「死の哲学」と題した名物の授業科目がありました。2年前にお亡くなりになったアルフォンス・デーケン教授が講師でした。一般質問にあたって本を読んでみましたが、とても学ばされます。

 

 「死への準備教育」は「生への準備教育」とも言えます。アメリカでは多くの小中高校でデス・エデュケーションを教えています。保健や社会科の授業で取り入れているそうです。

 

 これはイギリスから取り寄せた子供向けの教材です。子供は時に、愛する人が亡くなったのは、自分の愛情が足りなくなったせいだと考えがちです。ですが、そのことと死亡に関係はありません。だから、一緒に楽しく過ごしたひと時を思い出してあげよう。本にはこんな内容も書かれており、近親者の死に対する受け止め方を諭しています。

 

 さて、本市では「終活」について「自らの死と向き合い、自己の希望及び周囲の人々への影響を考慮したエンディング及び死後の手続きに関する準備を行う活動」と位置付けています。これは、条例上の定義です。

 

 ただ、終活は本来、事務的な準備作業にとどまらず、本質的には生を見つめ直すことです。心の問題という側面も大きいです。ですので、終活を幅広に捉え、本市の取り組みをバージョンアップできないでしょうか。

 

 たとえば、大和市の図書館、シリウスには自分史コーナーがあります。人に歴史あり。自分が死んだ後にも、自分が社会に何を残したのか、どんな人生を歩んだのかを他人にも共有してもらいたい。これは人間の自然な欲求です。自分史コーナーはとてもユニークな試みですが、さらに進めて、自分史作成の支援をしてもよいのではないでしょうか。

 

 朝日新聞や読売新聞などの大手新聞社では、自分史作成の業務を行っています。行政が自分史作成の業務を直接担うと「官の肥大化」「民業圧迫」となりますが、仲介する方法で支援することはあってよいでしょう。

 

 大和市は「認知症1万人時代に備える」と標榜しています。わが国には、任意後見制度があります。本人が十分な判断能力を有するうちに、予め自ら選んだ任意後見人に、代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度のことです。家庭裁判所の領域になりますが、終活支援のなかで周知啓発することもできるのではないでしょうか。

 

 そこで2点伺います。

 

①終活支援の意義について

■市長

 今年はこれまで社会、経済、社会保障から文化まで強い影響を与えてきた団塊の世代の方々が後期高齢者に差し掛かってくる起点の年と言われております。いよいよ高齢者の方が多くを占める時代が到来してきます。また2040年時点で65歳に達した男性の約4割の方が90歳まで、女性の方の2割が100歳まで生存すると言われています。本格的な人生100年時代に突入しようとしています。

 そうした中で、ご自身のこれまでの生き方を振り返り、心残りの事柄を整理する「終活」に取り組むことは、その後の人生を前向きに過ごすために大切なことです。

また、葬儀や納骨、医療や介護に関する自身の希望、財産の振り分け方などを事前に決めておくことは、残された方々の負担を軽減するだけでなく、将来への不安を払拭することにもつながります。

 終活はご自身の死と向き合い、人生を俯瞰する尊い作業であり、「健康都市やまと」を掲げる本市は、それぞれの方々の気持ちや考え方というものを重視しながら、終活に取り組む市民に敬意を表し、全力で支援していく所存です。

 

②本人の気持ちや考え方をより重視した終活支援の拡充について

■市長

 本市では平成28年に終活支援事業を開始しました。開始してからこれまでに、1000件を超える相談が寄せられましたが、その内容は葬儀、納骨、医療や介護、遺言書やエンディングノートに関することなど、多岐にわたっています。

 人生の最後の意思を遺言書やエンディングノートなどに記しておくことは、ご自身だけでなく残された方々にとっても大切なことではないかな、と思います。

本市ではこれまで、相談窓口において、エンディングノートの紹介や書き方のサポートを行ってきました。

 今年度はこうした支援をさらに拡充し、文化創造拠点シリウスで毎月第1火曜日に開催される「健康都市大学月イチ学園祭」の終活ブースにおいて、エンディングノートの書き方講座を開催するほか、司法書士や葬祭事業者などの専門家を招き、遺言書や相続、葬儀、後見制度などについて学ぶ講座なども開催していきます。

 我が国日本は世界で最も早く超高齢社会に突入しておりますが、本市大和市はこの未曽有の歴史的事象に対して、世界のお手本となるような終活モデルを打ち立てるべく勇往邁進し、一人になってもひとりぼっちにさせない社会を実現していく所存です。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。市長からは「世界のお手本となるようなモデルを打ち立てるべく勇往邁進する」という強い決意でした。

 

 終活をめぐっては、終末期医療における事前指示書、いわゆるリビングウィルも近年、注目を集めています。これは、病気や事故で意識を失った場合などに備え、終末期の医療の選択について予め表明しておく書面のことです。延命治療を望むのか、望まないのかは個人の選択です。まさに死生観に絡みますし、良し悪しを言うつもりはありません。どちらが良いと他人に強要できるものでもありません。ただ、リビングウィルの存在を知らしめ、死に方を考えてもらうことは、より良い人生を送る上でも大切だと考えます。

 

 大和市が発行するエンディングノートでは、病気の告知や延命治療、終末医療に関する本人の希望をチェック印で埋め、意思表示できるようになっています。このページですが、意思表示をチェックできる欄があるということです。先ほどの答弁では、エンディングノートの書き方講座を行う予定ということですが、リビングウィルの重要性についても、是非啓発していただければと存じます。

 

 このエンディングノートは、欄が大きくて書きやすいです。一方、ページ数は少ない印象を受けます。たとえば、遺品をどうするかについては記述がありません。とりわけ、デジタル化が進む令和の時代では、デジタル遺品をどうするかも課題です。SNSをしている人の場合、LINEやフェイスブック、ブログ等を死後も放置しておくのか、削除するのか。削除する場合、その方法はどうするのか。オンラインで、何らかのサービスのサブスクリプション契約をしていた場合、どのように解除するのか。契約を放置していると、利用していない代金を払わされる羽目になります。

 

 デジタル遺品は個人情報に属する側面が大きく、周囲の人がわかりづらい問題もあります。なので、ご本人が予めどうするかを示しておいた方が良いでしょう。このような今日的課題についても、行政として支援していくことが重要だと考えます。

 

 死の自己決定をめぐっては、葬祭など死後の処遇に関するものと、死の迎え方に関するものの2つに分類できます。大和市が主に支援しているのは前者ですが、後者も対応してほしいと考えます。

 

 大和市では健康都市大学を開設しています。そのなかで、任意後見制度はもとより、死生学、自分史の書き方、リビングウィルなどを周知啓発するのもよいでしょう。市の答弁では、「月イチ学園祭の終活ブースでエンディングノートの書き方講座などを開催する」ということでしたが、参加した市民の皆様が満足していただけるような終活ブースになることを期待します。

 

 私は先の3月定例会で、幸福実感度の向上について質問しました。人生を終えるときに、「よい人生だったな」と振り返ってもらえる手助けをできるような、幸福実感度を高める支援も進めてほしい。このように要望して、このテーマを締めくくります。

 

 

3.主に南部地区の道路整備・交通関係

 

(1)福田相模原線(福田地区)

 

 都市計画道路、福田相模原線は本市を南北に縦断し、相模原市から藤沢市までを結ぶ幹線道路です。同様に本市を縦断する国道467号と並行するように走っており、交通量の分散にも役立っています。南林間地区では拡幅工事、上草柳地区では歩道整備工事を進めています。ただ、福田地区については現在、新幹線と交差する原福田跨線橋のあたりで行き止まりとなっており、整備が進んでいません。

 

 4年前の2018年10月19日付の「やまとニュース」では、「福田相模原線、南進へ」と大々的に広報しましたが、進捗はなかなか思わしくないようです。この問題については会派、自由民主党の中村一夫議員が昨年12月の定例会で、質問しましたが、今年度は議長職にあって登壇できないため、今回、私が代わって質問します。

 

 市側は12月定例会において、「JRとの協議から原福田跨線橋の老朽化対策を含め、整備方針を改めて検討する必要が生じた。来年度、つまり令和4年度以降は、跨線橋の構造設計委託を実施しながら引き続きJRと協議する」。このように答弁しました。

 

 福田相模原線が南進するためのファーストステップである原福田跨線橋は昭和38年に立てかけられ、約60年が経過しています。大和市が令和2年3月にまとめた「橋りょう長寿命化修繕計画」によると、この跨線橋の健全性は「Ⅲ、早期措置段階」と診断されており、5年以内に修繕することが必要です。計画策定から2年が経過していますから、今から3年以内の修繕が求められていることになります。

 

 事業完成を待ち望む地元の住民からは「工事の期間や費用はどの程度なのだろうか」「橋はどのようになるのだろうか」といった声が寄せられています。

 

 そこで1点伺います。

①原福田跨線橋に関する検討の進捗状況について

■街づくり施設部長

 福田相模原線福田地区の新幹線上にかかる原福田跨線橋については、昨年度のJRとの協議において、竣工から50年以上経過しているため、設計基準や幅員等の構造について確認を行った結果、維持管理を行う上での老朽化対策を含めた整備方針を改めて検討するようJRから要請がありました。

 今年度は跨線橋の構造設計委託を実施しながらJRと協議を進める予定であり、現時点では跨線橋の整備方針などは確定していない状況です。

 今後、JRと協議を重ね、構造や整備手法が定まった場合、竣工にかかわる時期や費用が明確になってきますが、新幹線にかかるJRとの協議は他市の事例からみても相当の時間を要することが想定されますので、今後も引き続き協議を重ね、着実に事業を進められるよう取り組んでいきます。

 

 

2)県道丸子中山茅ヶ崎線

 

 私が住んでおり、主に担当しているエリアは桜ケ丘です。地元では県道丸子中山茅ヶ崎線の整備が重要な課題となっております。県道なので所管は県ではありますが、市も連携して進めていくことが大切です。この県道では左馬神社の近くの交差点改良事業も終わり、拡幅工事も随分と進んできました。ただ、まだ用地買収に応じていない地権者もいると仄聞します。

 

 そこで1点伺います。

①道路整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 県道丸子中山茅ヶ崎線の整備状況については、県道の拡幅工事を進めるなか、市道光が丘久田線と市道久田山谷線、県道の3路線の変形交差点における改良工事が令和3年10月に完了しました。現在は改良工事が終了した交差点から境川へ向かう道路の北側において、埋蔵文化財の発掘調査を行っているため、工事を中断しておりますが、調査完了後においては、引き続き歩道の整備工事を行う予定と神奈川県から聞いております。

 また、用地においては約80%の取得状況ですが、残りの20%は様々な課題により用地取得が困難な状況であるため、事業認可期間について令和2年度末から令和7年度末まで延伸されました。

 今後も引き続き、神奈川県及び県道丸子中山茅ヶ崎線道路整備促進協議会と連携をはかりながら、一日も早い事業完成に向け、市としても協力していきたいと考えております。

 

 

(3)小田急線の人身事故

 

 5月31日夜、小田急線の大和駅と桜ケ丘駅の間にある大和3号踏切で人身事故がありました。私の居住地の近くです。報道によると、男女2人がはねられたということです。心中だったのでしょうか。

 

 この踏切は「自殺しやすい場所」でもあります。下り列車の場合、カーブを終えたところに位置しており、見晴らしが悪いです。このため、電車の運転手が異常を発見しづらい。こうなっています。さらに、車が通れないほど狭く、通行量は少ないです。他人に気づかれにくい立地となっています。

 

 現場を見渡すと、非常ボタンがあります。自殺を思いとどまらせるための「いのちの電話」の看板もあります。「ふみきりは、カメラにうつっています!」と警告する看板も設置されています。ただ、私が目視した限り、監視カメラを見つけることはできませんでした。

 

 この踏切に限らず、小田急江ノ島線では人身事故が相次いでいます。本日の資料の裏で、事故をまとめさせていただきましたが、さまざま事故が起きています。

 

 本市北部を横断する東急田園都市線は踏切そのものがないので事故が少ないですが、小田急線については、資料に示した通りです。中には、ホームから飛び降りるケースもあります。

 

 小田急電鉄が公表している『安全報告書2021』を読むと、「踏切事故の未然防止対策」として踏切障害物検知装置が掲げられています。これは、踏切が鳴っているときに障害物を検知すると、列車のブレーキが自動的に作動する装置です。市内を走る小田急線の踏切では設置されているのでしょうか。

 

 そこで2点伺います。

①大和市内における小田急線のホームドア整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 大和市内における小田急線のホームドアについては、現時点では全駅未整備ですが、小田急電鉄は1日の利用者数10万人以上の駅に優先して設置する方針を示しており、大和駅及び中央林間駅について整備計画が示されております。

 中央林間駅については、鉄道駅総合改善事業において現在、ホームドア設置のためのホーム補強工事を実施しており、令和6年度にホームドアの整備が完了する予定となっております。その他の駅についても、引き続き早期設置を小田急電鉄に対し要望していきたいと考えております。

 

②踏切事故が多い箇所に踏切障害物検知装置などを設置するよう働きかけられないか

■街づくり施設部長

 小田急電鉄においてはこれまでも、踏切事故の未然防止策として踏切内の異常を接近する列車に知らせる非常ボタンのある安全設備の設置や踏切のカラー舗装化などの対策を行っております。

 議員ご提案の踏切障害物検知装置などについては、小田急電鉄が踏切通行量のほか地理的条件等を総合的に勘案して設置し、全体の安全施策とのバランスと取りながら推進すると聞いており、市としても小田急電鉄との街づくりでの連携をはかるなかで、これらの踏切における安全対策についても要望していきます。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。福田相模原線の原福田跨線橋に関しては、昨年12月定例会の答弁からあまり進展はありませんでした。まだ構造設計を委託中であり確定していないため、工事の内容についてなかなか回答を示すことはできないということのようです。

 

 現地を確認しましたが、道路を延伸しようとしている区間のど真ん中に住宅が立ち並んでいます。用地買収を含め、大変長い時間を要する作業になるだろうとは理解します。ですが、やまとニュースで大々的に広報していますし、地元での期待が高い事業でもあります。できるだけ速やかに取り組んでほしいと要望します。

 

 県道丸子中山茅ヶ崎線については、「残っている20%は用地取得が困難」ということでした。事業認可期間も延伸を繰り返していますし、用地取得の進捗が見られない場合には、土地収用法に基づく土地収用を辞さない覚悟で取り組んでいく必要があるでしょう。主体は県になりますが、個人的にはこのように考えています。

 

 小田急線の人身事故については、「安全対策を要望していく」といった前向きな答弁でした。小田急電鉄の昨年1月28日付のリリースを見ると、新宿、南新宿、代々木八幡の踏切3カ所において、人工知能AIを用いた踏切異常事態検知の実証実験を行っているそうです。対象は小田急小田原線ですが、江ノ島線についても先進的な検知システムを導入するよう強力に働きかけていただければと存じます。

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令和4年9月議会

一般質問の動画はこちらから。

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1. 小児医療費の助成

 

 「なぜ大和市は小児医療費助成で所得制限があるのか? 県内の他の自治体では助成が出ているのに不公平ではないか」

 数か月前、そのような話を伺いました。その方は県内のある自治体に務める公務員で幼児を育てていますが、所得が一定水準に達しているので、大和市の助成を受けられなかったそうです。その時は「まぁ、所得が多いんだから、仕方ないよなぁ」と思いました。

 

 そんな折、先月、ある公共政策アドバイザーの方から、「大和市も小児医療費助成の所得制限をなくした方がよいのではないか」とのご意見をいただきました。単なる一議員に、複数の声が届いたことを踏まえ、小児医療費助成について取り上げたく存じます。

 まず、私の考えですが、助成のあり方として、何でもかんでも一律に給付するのは適切ではないと思います。租税政策の一つの重要な機能として、所得の再分配があります。貧しい人、何らかの被害にあっている人が不利益を被らないようにする。一定水準の生活を保障する。そのために高所得者から所得を再分配するのは、行政の役割です。

 

 一方、義務教育において、教科書は完全に無償化されています。「義務教育はこれを無償とする」とする憲法第26条を根拠として、戦後に運動が起こり、教科書無償化法が1963年に成立、施行しました。日本国内のどこの地域に住んでいようと、国立、公立、私立の種別を問わず、無料です。

 また、公教育においては授業料も徴収されません。というのは、国民として最低限の教養を身につけてもらうといった理由や、個々の家庭の経済的事情にかかわらず平等な機会を確保するといった理由があります。

 

 背景にあるのは、「我が国の次代を担う子供たちは社会の宝である」といった社会的合意です。これを発展的に捉えれば、義務教育段階においては、子供の教育だけでなく、医療に関しても完全に無償化し、均等な機会を確保する。こうした考えがあって然るべきです。病気やケガになるかどうかは人それぞれですが、誰も好き好んで病気にはなりません。所得の多寡を問わず、平等性を担保した方がよいと考えます。

 

 近年、全国の自治体では、小児医療費の助成制度を拡充する動きが急速に広がっています。こちらで把握する限り、神奈川県内19市のうち半数近くの市が現時点で、義務教育段階までの小児医療費を無償化しています。本日、お手元に配布した資料は、報道や公表されているデータをまとめたものです。現時点で所得制限がない市が青色の背景です。これから所得制限を廃止する方針が明らかになっている自治体は黄色です。

 

 お隣の横浜市では、この9月議会、小児医療費の全額助成に向けて補正予算を提出したそうです。先月上旬には、新聞紙上で「補正予算案を出す方針を固めた」と大きく報じられました。川崎市は現在、小学生までの助成にとどまっていますが、対象を中学生にも広げたうえで、所得制限を撤廃する方針だそうです。9月議会で市長が意向を表明したと報じられています。

 

 さて、大和市では、県の助成に上乗せする形で、中学生まで小児医療費を助成しています。0歳児については所得制限がありませんが、1歳児以降は所得制限があります。所得制限の限度額は、世帯の主たる生計維持者が扶養する人数に応じて、異なっています。義務教育段階までの大半の子供に対し、実際には保護者になりますが、所得制限をかけているのは何故でしょうか。

 本市議会においては、金原議員が先の6月定例会で、所得制限の撤廃や高校までの全額助成を求めました。報道によると、東京都の23区は来年度から、高校生まで全額助成するそうです。県内でも、現時点で松田町や大井町が高校生まで全額を助成しています。

 

 私は個人的には、所得制限の撤廃、つまり完全無償化については中学生までだろうと考えます。大和市は市立(いちりつ)の高校を設置していません。公立高校は県の教育委員会、私立(わたくしりつ)の高校は県の知事部局が担当しています。市の守備範囲は基本的に義務教育です。

 ただ、完全に無償化されている教科書と同様の考え方をとり、義務教育段階の中学生までは、小児医療費助成の所得制限を撤廃してもよいのではないでしょうか。

 

 大和市では、国や県に対する毎年の予算要望書で、「国レベルでの対応が必要。全国一律の制度となるよう強く求める」と要請しています。一貫してそのように主張しています。

 私が確認できたもっとも古いものは平成28年度予算に向けた要望書ですが、「少子化対策」の項目に入っていました。その後、「小児医療費に係る(かかる)全国一律の助成制度の創設について」と表題に記し、さらに強く打ち出すようになりました。来年度予算に向けた要望書にも明記しています。その主張はもっともです。

 小児医療をナショナルミニマムの医療サービスとして捉えれば、住んでいる地域や、その自治体の財政力によって格差が生じてはいけません。国がなすべきことを自治体が補完して行い、それが競争のような形になってしまう現状は本来、望ましくはありません。

 ですが、大和市として、従来のスタンスを堅持しつつも、過渡的な措置として、所得制限を撤廃し、完全無償化に踏み切ることはできるのではないでしょうか。たとえば、大和市は不育症、不妊治療費の助成に関し、地域間格差が生じないよう国に要望しつつも、上乗せ助成するなどの支援策を展開してきました。国に制度創設を求めつつ、助成を拡充することは矛盾ではありません。

 

 そこで4点伺います。

①所得制限撤廃に関する市の考え方について

■市長

 本市では、子供たちが経済的な理由で、必要な医療を受けられないことがないようにとの考え方に基づきまして、子育て世代の経済的な負担を軽減するため、中学校卒業までの児童生徒を対象に、医療費の助成を行っております。

 これは本会議場でも以前、述べさせていただきましたけども、私が就任時において、すべての小中学校を歩きました。その時に、ある小学校の校長先生がこうおっしゃっていました。「市長、この学校のひとり親世帯はどのぐらいだと思いますか」。その答えが驚くべきほど多かったことに愕然としました。

 「子供たちは親に少しでも負担をかけまいということで、その医療費にも子供たちなりに考えて行動しているんですよ。是非、子供たちにそういった親の経済的な力によってそういうことがないように、経済的に困っている子供たちには是非、医療費の負担、助成を行っていただきたい」という校長先生の言葉でありました。「その通りだな」と思いました。そこで、議会の皆さん方のご承認をいただきまして、今現在に至っているところでございます。

 さて、小児医療費助成制度につきましては、県がすべての年齢の児童の保護者に所得制限を設け、通院費の助成対象を就学前児童としているなか、本市では、平成22年7月から小学校卒業まで、平成26年7月からは中学校卒業まで、と対象年齢を拡大してまいりました。

 先の定例会におきましても、金原議員から小児医療費助成制度の拡充についてのご質問にお答えさせていただいた通り、本来、子供の医療制度は国が社会保障制度として位置づけ、地域間の格差のない全国統一的な制度であるべきとの考えには、いささかも変わりはございません。

 しかしながら、隣接する藤沢市、座間市では令和5年4月から、所得制限廃止が予定され、議員ご指摘のように横浜市におきましても、今月の議会に提出した補正予算案のなかで、令和5年度中の所得制限廃止を含む制度拡充のための準備経費が計上されております。さらに、先週におきましては、川崎市も通院時の助成対象を現行の小学校6年生から中学校3年生まで引き上げるとともに、所得制限を廃止する方針を示すなど、小児医療費助成制度をめぐる状況はここにきまして、大きく変わっていくことが見込まれております。

 子供の医療制度は、国として全国統一的な対応が図られるべきであり、今後も国に対して求めてまいりますが、国の制度創設を待っていては地域間格差の広がりとともに、強い不公平感を引き起こすことは、想像に難くありません。このような状況を踏まえ、子供たちが等しく必要な医療を受けられる環境を整え、健やかな成長と健康の増進を支援するためには、ここで小児医療費助成制度の所得制限廃止に舵を切るときだと判断いたしました。

 「子育て王国」を標榜する本市として、子育てしやすい街、子育て世帯から選ばれる街を目指す観点から、令和5年4月からの所得制限廃止に向けまして、取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 

②小児医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担金減額調整措置と減額幅について

■こども部長

 地方自治体が独自に医療費助成を行っている場合、それにより生ずる医療費の波及増分については、国により国民健康保険にかかる国庫負担金を減額する措置が講じられることとなっており、令和3年度は約577万円でございます。

③所得制限なしが0歳児だけに限られている理由は

■こども部長

 小児医療費助成制度は平成7年10月の制度創設当初においては、所得制限を設けたうえで、助成対象を入院は中学卒業まで、通院は0歳児のみとしておりました。平成11年1月からは、所得制限を1歳児以上に変更し、その後も段階的に対象を拡充してきた経緯がございますが、0歳児は特に医療機関を受診する機会が多く、家計における医療費の負担が大きいものと捉えていることから、現在も所得制限を設けず助成対象としております。

④所得制限を撤廃した場合にかかる追加の予算はどの程度か

■こども部長

 小児医療費助成制度において所得制限を廃止した場合、医療費や審査支払手数料などの諸経費を合計して、予算額が1億5000万円程度、増加する見込みです。

 【答弁後の意見・要望】

 とても前向きな答弁をいただきました。本市として所得制限の撤廃に踏み切り、中学生までは完全に助成するという大変重要な内容だったと捉えました。

 

 小児医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担金減額調整措置と減額幅については、昨年度、約570万円分の補助が減らされているということでした。これは国政の課題ですが、自治体が小児医療費を独自に助成すると、いわば「ペナルティー」的に国保の補助額が減らされるという仕組みになっています。大和市では、国や県に対し「国保の減額措置を講じないよう要望する」と求めていますが、私も賛同します。

 

 自治体による小児医療費の助成の上乗せは本来、国が支出すべき費用を自治体が肩代わりしていると捉えられますから、補助金を減額されるのはアベコベです。

 さて、私は市民の代表としてこの場に登壇していますが、市民や医療関係者の皆様にもお願いしたいことが一つあります。完全に無料だからといって、むやみやたらにコンビニ受診をしたり、勧めたりすることは控えてほしいと存じます。その原資は市民の税金です。行政は、取捨選択をしながら限られた財源を様々な施策に振り向けなければなりません。

 

 話はそれますが、少子化問題や子育て関係の政策をめぐっては、「子育て負担の軽減」という言葉がよく使われます。私も使ったことがありますが、「負担」という言い方は、「押し付けられる」といったマイナスな意味を伴います。これは「子育て支援」といった前向きな言葉に置き換えた方が良いでしょう。

 

 「子育ての経済的負担の軽減」という表現も、「家庭における子育て支出の軽減」と言っても主旨は変わりません。同様に、「子育て負担が女性に偏る」。この言い方は「子育ての役割分担が女性に偏る」と言うこともできます。まずは「負担」という考え方を払拭した方がよいと考えます。

 「子育て王国」を標榜する本市としては、是非、「負担」という言葉を使わず、子育て自体を前向き、積極的にとらえる言葉を使ってほしいですし、そういった視点からの施策展開を望みます。また、所得制限の撤廃に踏み切ることで、子育て支援の環境整備・拡充に寄与することを大いに期待いたします。

 

 

2.病院経営

 

 9月議会は前年度決算の審議がメーンテーマです。市立病院をめぐっては、収益が大幅に改善し、10億円近くの黒字となりました。新型コロナウイルス感染症の対応に伴う補助金が大幅に入ってきたことが大きいです。決算書の医業外収益に示される補助金の額は、コロナ前と言える令和元年度は7500万円でしたが、コロナが直撃した翌年度には15億円となり、昨年度は20億円を超えました。背景には、病床確保をはじめ、市立病院がコロナ対応に努力したことがありますが、それにしても大きな額です。

 コロナの補助金効果で公立病院の収益が大幅に改善したというのは全国的な傾向です。今年4月13日の共同通信の報道によると、全国に853ある公立病院の収益の合計は、令和元年度は980億円の赤字だったものの、昨年度は1251億円の黒字に転換したそうです。

 

 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、重症・死亡リスクが低下する「弱毒化」の傾向を受けて5類格下げの議論もあります。個人的には、速やかに格下げしてほしいと考えますが、政府は慎重な姿勢を堅持しています。欧米をはじめ諸外国では、マスクを外しています。昨日のイギリス・エリザベス女王の国葬の中継をみても、誰一人として着けていませんでした。一方、我が国ではいまだに日常的にマスクをつけ続けています。

 

 その適否や合理性はさておき、新型コロナウイルス感染症はいずれ、季節性インフルエンザと同じような扱いとなり、国からの補助金も大幅に縮減されるはずです。本市の市立病院も今後は、アフターコロナを見据えた経営が求められるでしょう。

 では、コロナを除外して、今後の病院のあり方はどうなっていくのでしょうか。厚生労働省が「第8次医療計画等に関する検討会」で示したデータによると、全国の入院患者数は2040年にピークを迎えると見込まれています。入院患者における65歳以上の高齢者の割合は高まり、同年には約8割に達する見込みということです。外来患者数は2025年がピークで、今後は在宅診療や救急搬送が増えると見込まれています。

 

 ただ、医療需要は人口の増減に左右されますから、地域差があります。首都圏に位置する神奈川県では、入院患者数も外来患者数も、まだまだ増え続けるようです。

 この検討会で6月15日に示されたデータをグラフにしたのがお手元の資料です。二次医療圏である神奈川県の県央医療圏の推計人口は今後、減少傾向にあります。子供も生産年齢人口も減っていきますが、65歳以上の高齢者は増加を続ける見込みです。

 補足しますと、これはあくまで大和市などの7市町村で構成される県央医療圏のデータです。大和市の病院を利用しないであろうエリアも含まれるので、市立病院の今後の医療需要予測は多少異なるとみられますが、二次医療圏としては、こうなっています。

 

 この一般質問にあたり、過日、日本経済新聞社が主催する病院経営の無料セミナーを聴講しました。日本医療法人協会会長の加納繁照(かのう・しげあき)さんは、2040年ごろを見据えた医療の課題として、「高齢者数の増加に伴い、脳梗塞、肺炎、心不全、骨折などによる入院が増加すると見込まれる。認知症有病者も増加が見込まれる」と解説していました。

 

 総務省消防庁の「令和3年版救急・救助の現況」によると、救急自動車による救急搬送で民間医療機関に搬送された割合は、神奈川県では64%です。民間医療機関への搬送が多く、全国で11番目の高さとなっています。その分、公立病院としては、地域の医療機関との分業や機能分化が求められることになります。

 地域の医療機関との連携を図る指標として、紹介患者数を初診患者数で割った紹介率や、逆紹介患者数を初診患者数で割った逆紹介率があります。市立病院がどの程度なのかは気になるところです。

 いずれにしても、今後の人口や外来患者の動向・見通しを踏まえ、将来の医療提供体制に関する議論を始めていく必要があると考えます。

 そこで6点伺います。

①アフターコロナにおける市立病院の役割・使命について

②今後の医療需要見込みについて

③地域の医療機関との機能分化や連携体制にかかる考え方について

■病院長(一括答弁)

 まず、市立病院の使命は、地域において中心的な役割を果たす病院として、市民の生命を守り続けていくことにあると考えており、急性期病院に求められる高度な医療の提供や、救急医療、小児、周産期医療といった政策医療を担う役割を果たしてまいりました。さらに、新型コロナウイルス感染症への対応では、大和・綾瀬地域で唯一となる神奈川モデルの重点医療機関の病院として、中等症患者等を積極的に受け入れているところでございます。

 今後の医療需要見込みについては、国立社会保障人口問題研究所が2018年にまとめた人口推計によると、本市の65歳以上人口は、2020年から2045年にかけて27%の増加が見込まれており、高齢者人口が増え続けることにより、高齢者が多く発症するガン、急性心筋梗塞、脳卒中、肺炎、骨折や、あるいはそれら疾患による救急患者はいずれも増加していくものと考えており、今後の医療需要は増大していくものと捉えております。

 一方で、病院機能の面からは、近年の医療における検査や手術等の高度化により、すべての対応を一つの医療機関で行うことは難しくなってきているため、国も医療機関相互の連携や、医療機関の機能に応じた役割分担を推し進めているところでございます。

 地域の基幹病院である市立病院は、入院や手術が必要な方への治療、救急患者への対応など急性期医療を担う病院であり、地域の医療機関からの紹介患者さんの受け入れや、急性期医療を脱した方をかかりつけ医へ逆紹介するなど、地域の医療機関と連携をはかってまいりました。当院といたしましても、地域の医療機関との機能分化、連携は重要なものと考えており、今後も市立病院が基幹病院として機能に応じた役割を果たしていけるよう、当院医師による地域の医療機関への訪問など円滑な連携に資する取り組みを行ってまいります。

 新型コロナウイルス感染症の収束はいまだ見通せない状況ではありますが、市立病院の使命や役割は不変であり、今後も安心、安全な高度急性期、および急性期医療を提供し続けられるように、医師はもちろんのこと、看護師や医療技術員、事務職員などすべての職員が一丸となって取り組んでまいります。

④過去3か年の紹介率及び逆紹介率について

■病院事務局長

紹介率   令和元年度76.6% 2年度78.6% 3年度77.7%

逆紹介率 令和元年度69.7% 2年度79.2% 3年度73.3%

⑤経営形態の見直しに関する現時点の考え方について

■病院事務局長

 当院が将来にわたって市民の命と健康を守る地域の医療機関であり続けるために、取り巻く周辺環境の急激な変化に対しても柔軟に対応できる経営形態の在り方について、検討を進めているところでございます。

 

⑥過去3か年の脳卒中の入院診療実績について

■病院事務局長

 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血といった、いわゆる脳卒中患者の入院診療実績といたしましては、令和元年度は240件、令和2年度は227件、令和3年度は185件となっております。

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。市立病院は令和元年11月、地域医療支援病院として承認されました。これは、かかりつけの医者への逆紹介や施設や診療設備、医療機器の共同利用の実施など、患者が身近な地域で医療を受けられる支援をする病院です。

 市立病院の紹介率や逆紹介率は、基準をクリアしていました。地域の医療機関と役割を分担しながら、地域医療の充実に向けた連携をなお一層、進めていただければと存じます。

 

 経営形態については検討中といった回答でした。現在、市立病院は病院経営計画の計画期間を延長しています。現在、新計画を策定中で、病院運営審議会で協議していますが、今後の医療需要の見通しを的確に把握、分析したうえで、より精度の高い計画にしていただければと存じます。

 脳卒中については診療実績が減少傾向にあるということでした。令和元年9月26日に開かれた厚生労働省の「地域医療構想に関するワーキンググループ」の資料では、市立病院について脳卒中の診療実績が特に少ないと指摘しています。本市と人口規模が近い厚木市、平塚市、小田原市の市立病院にはそのような記載がありません。大和市立病院は類似の機関と比べて、脳卒中の診療体制が弱いように見受けられます。

 

 私は平成29年12月定例会の一般質問や翌年3月定例会の討論において、脳梗塞の治療体制の強化を求めました。それは、脳梗塞を含む脳卒中の治療は一刻を争い、時間の猶予が許されないからです。仮に一命をとりとめた場合でも、対応が遅ければ、手足の麻痺や言語障害など深刻な後遺症が残ります。

 昨年の人口動態統計によると、脳血管疾患でお亡くなりになった方は全国で10万人を超えており、死者全体の7.3%を占めています。これは死亡原因の4番目であり、やむを得ない老衰を除くと3番目です。万が一の際に、遠くの病院に搬送せざるを得なくなって時間がかかり、後遺症が残ってしまった、お亡くなりになってしまったということがあってはなりません。急性期治療を担う市立病院の重要な役割の一つとして、脳卒中にも迅速に対応すべく、脳神経外科の診療体制の強化を強く要望します。

 

 さて、病院経営にあたってはミッション、つまり使命を明確化し、それを市民にも浸透させていくことが重要だと考えます。私がキャッチコピーをつけるなら、「あって良かった市立病院」。こんな感じでしょうか。これは一つの案に過ぎませんが、明確なコンセプトが医療従事者や市民に浸透すれば、病院に対する市民の理解も深まります。病院経営でもブレない軸が出来上がります。今後の病院経営においては、そのミッションを市民に分かりやすい言葉で打ち出してほしいと考えます。

 

 16日の一般質問では、安藤議員がご自身の病気のエピソードを打ち明け、市立病院に感謝の意を表していました。私は最近、周囲で闘病する事例をいくつか目の当たりにしました。その時に思ったのは、医師は病気やケガを治すのが役割ですが、メンタルトレーナー的な側面も大きいということです。

 

 手の施しようのない大病に見舞われた患者を、どう支えていくのか。医師による説明や応対の仕方一つで、患者の心の持ち方は大きく変わります。研修制度をはじめとして医療接遇の向上にも取り組んでいただければと存じます。

 

 

3.教育問題

(1)スタディサプリの活用

 

 昨年の流行語大賞にノミネートされた新語として、「親ガチャ」という言葉があります。どんな親のもとで生まれたか、どんな家庭環境で育ったかで人生が左右され、格差が再生産される。このような状況を、ガチャガチャにたとえて揶揄した俗語です。

 私はこの言葉を好きではありません。子供が親を選べないのは一面の真理でしょう。ですが、この言葉は、仮に何か不幸があったとして、すべて親や周辺環境に責任転嫁しているように感じてしまいます。この手の新語が生まれない社会を形成していくことは政治の役割だと考えます。

 

 子供たちがどのような家庭環境にあろうとも、一定水準の学力や教養を身に着けてもらう。学力だけでなく、知徳体それぞれにあてはまりますが、これは公教育の主要な役割だと考えます。その意味で、大和市の教育委員会が実施している放課後寺子屋は、その趣旨に合致した良い取り組みです。

 そのようななか、この5月の記者会見で、リクルート社が提供するオンライン学習支援システム、スタディサプリを導入するといった発表がありました。本市の小中学生の基礎学力向上に資する、とても良い取り組みだと捉えました。

 

 学校で習う程度の学習については、学習塾に通わなくても、サプリメント、つまり補うことができます。学習塾に通うことができない家庭環境のお子さんでも、オンラインで予習や復習を補強してくれることになります。

 

 一方、市教委がこれまで取り組んできた放課後寺子屋との整合性も気になるところです。

(2)英語教育

 私は平成27年の12月議会で、「英語を重視するあまり、他教科を軽視してはならない。英語を身につける上でのベースは母語である。まず国語の授業を充実してほしい」と要望しました。英語教育は重要ですが、低年齢化に走りすぎるのもどうかと考えたからです。今回は切り口を変え、英語教育の拡充を求める観点で取り上げます。

 

 私が学生だった30年ほど前は、読み書きができれば良しとされました。ただ、現在では実用的な英語能力、リーディングやライティングだけでなく、リスニングやスピーキングの4技能が必須となっています。また英語を実際に使うコミュニケーション能力も求められています。

 英語のリスニング、聴き取りにおいては、「発音できる英語は聞き取れるが、発音できない英語は聞き取れない」と言われます。たとえば、日程を意味する英語はご案内の通り、スケジュールですが、イギリスではシェジューと発音します。観光旅行を表すツアーは、イギリスではトーです。be動詞の過去形、ウァズや助動詞のキャンも、イギリスではウォズ、カンなどと言います。いずれの言葉も、発音を知らないと聴き取ることができません。

 

 誰でもわかる英語の表現として、グッド・モーニングがあります。グッドの最後のド、モーニングの最後のグは発音しません。これは大変基本的で有名なフレーズですが、英語ではこのように弱形の子音を発音しないケースが多いそうです。

 リスニングをめぐっては、発音はもとより、リズム、イントネーション、英文の区切り方といった総合的な情報を体得することが必要だと言われます。ですので、英語を母語とする外国人の本場の英語に触れる機会を増やすことは、リスニング力向上の一つの有効な手段となります。

 語学学習では実際にコミュニケーションすることも重要です。「習うより慣れろ」という格言がありますが、日常的に英語を話す機会は限られています。リスニングはもとより、スピーキングやコミュニケーション能力を向上させるには、ALTをはじめとする英語指導助手を積極的に活用するのが良いように思います。

 

 ここで質問をまとめます。4問伺います。

(1)スタディサプリの活用

①小中学校におけるスタディサプリ導入の目的や期待する効果について

②寺子屋との関係について

■教育長(一括答弁)

 本市では、子供たち一人一人に等しく学習の機会を保障することを目的に、市内すべての児童生徒が一人一台端末を用いて、個人の学習状況に合わせた先取り学習や学び直しができるオンライン学習教材「スタディサプリ」を県内で初めて公立小中学校に導入いたしました。

 期待する効果といたしましては、要点を分かりやすく解説する講義動画を観ながら、児童生徒が主体的に予習復習に取り組む学習習慣を身に着けることや、教員が児童生徒の学習状況に基づき、計画的に課題配信を行うことによる一人一人に応じた学習支援が挙げられます。

 夏休みには、教員向けの活用研修を実施し、早速、休み明けの確認テストや前の学年の復習など授業での活用も始まり、今年度開設した不登校特例校分教室においても、生徒たちが熱心に取り組んでいるとの報告を受けております。

 また、寺子屋では、学校において放課後などを利用し、児童生徒に寄り添いながら、直接かかわりあう学習支援が展開されており、スタディサプリによるオンライン学習環境の向上と合わせて、本市の多様な児童生徒の状況に的確に対応した学習体制を整えております。

 教育委員会といたしましては、一人一人の子供にとっての最適な学びを実現しながら、引き続き子供たちが未来を切り開いて生きる力を育む学校教育を推進してまいります。

(2)英語教育

①小中学校における英語指導助手の活用について

■教育部長

 本市では、小中学校の英語の授業において、英語指導助手を配置し、児童生徒がネイティブスピーカーと直接会話する機会を積極的に設けることで英語教育の充実をはかっております。1クラスあたり1年間で小学校低学年は5回、中学年と高学年は35回、特別支援級は2回、中学校では10回程度、英語指導助手の派遣を実施しております。

 

②教員の研修について

■教育部長

 教育委員会では、小学校での教科化を想定し、教員の指導力向上をはかるため、他市に先駆け、小学校英語指導の専門家を派遣して研修を先進的に進めてまいりました。さらに現在も講師を招いた外国語教育研修会などを開催したり、小中学校間で授業を公開し、その後に協議会を持つなど、義務教育9年間を見据えた英語教育を推進しております。

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。順序が逆になりますが、英語教育をめぐっては、教育水準を担保するうえでも、研修制度等を充実していただきたいと存じます。というのは、英語は使っていないとその能力は衰えてしまうため、他の教科以上に教員のスキルアップが欠かせないからです。

 

 次に、スタディサプリですが、小学校から中学校まで、すべての学年のコンテンツを利用できるということです。どこかで躓いてしまったお子さんが、苦手とする分野や課題をさかのぼって克服できるようにするためです。

 

 逆に言えば、学習指導要領が定める進度では物足りなくて、学年を超えて先取り学習したいというニーズを満たすこともできるはずです。小学生が中学校の範囲を勉強することはできるそうですが、中学生が高校の範囲まで先取りすることはできないようです。

 

 たとえば、一つのアイディアとして、中学生が高校の範囲についても利用できると良いのではないかと思います。これは「飛び級」的な発想です。日本では飛び級はあまりなじみがありませんが、国立の千葉大学では平成10年、高校2年修了後、通常より1年早く大学に入学できる先進科学プログラムを全国で初めて導入しました。それから四半世紀近くが経過し、今年の春までに82人が卒業しています。千葉大学に1年早く入学し、学部を早期に卒業して大学院にも飛び級すれば、最短23歳での博士号取得も可能なのだそうです。

 

 スタディサプリの活用をめぐっては、高校の範囲を先取りしたい「天才」的な小中学生を支援する仕組みがあっても良いように思います。予算の兼ね合いもありますし、ごく一部の希望者に限られるとは存じますが、検討してみてはいかがでしょうか。

 

 最後に、大項目の1「小児医療費」では、市長から「経済的理由で必要な医療が受けられないことがないように」という答弁をいただきました。大項目の3では、教育長から「一人一人に等しく学習の機会を保障する」。これはスタサプの話ですが、そのような答弁がありました。両方とも家庭環境にとらわれずに等しく行政として環境を整備していく、支援していくという姿勢だと思います。私も政治家として、このような姿勢であるべきだと思っていましたし、大和市としても、ぜひ今後ともそのようなスタンスを貫いていただきたいと要望して、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

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