大和市議会 小田の一般質問

 *本会議場での実際の質問では、私の場合はテーマごとに、まとめて質問し、行政側もまとめて答弁しています。このHPでは分かりやすさを重視して一問一答方式のように再編集し、質問の直後に答弁を記しています。なので、動画とは若干食い違う箇所があります。議事録は市議会HPの会議録でもご覧になることができます。

 *市議会HPでは、過去1年分の動画を公開しています。それ以前のものは見ることができませんのでご了承ください。

令和4年6月議会

一般質問の動画はこちらから。

http://www.yamato-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2258

1.大規模停電への備え

 

 今年3月16日、福島県沖を震源とする地震が発生し、東日本エリアで停電が発生しました。東京電力管内で最大210万軒、東北電力管内で最大約16万軒が被害を受けました。地震の影響で11カ所の火力発電所が緊急停止したことで供給力が失われ、電力システムを保護するための周波数低下リレーが作動したことが原因です。真冬並みの寒さで電力需要が大幅に増えた同月22日には需給逼迫が生じ、電力需給逼迫警報が初めて発令されました。東京電力や東北電力の管内の住民は節電を要請されました。

 

 電気は基本的に貯めることができないので、電力システムにおいては、「同時同量の原則」があります。一つの送配電ネットワークの中で発電される電気と消費される電気の量が常に一致していなければなりません。このため、電力の需要が供給を上回って需給バランスが崩れると、停電が起きる可能性があります。政府は脱炭素社会への移行を目指しており、CO2を排出する火力発電を縮小させて、再生可能エネルギーの普及を進めています。

 

 ですが、再生可能エネルギーは出力が不安定です。太陽光発電の場合、お日様が出ない夜には発電できません。日中も、曇りや雨だと発電力が低下します。太陽光発電の比重が高まれば、CO2削減には寄与するものの、電力系統全体にとっては不安定な要素となります。火力、水力、原子力発電は回転エネルギーを持つ同期電源であり、電源脱落等の際に周波数の低下を緩和できます。一方、太陽光発電や風力発電はそのような機能を持っていません。つまり、再エネの導入が進むほど、電源ネットワーク全体の慣性力が不足します。大規模停電のリスクは高まります。

 

 この夏や冬には電力が不足するとみられています。「大企業などを対象とした電気使用制限の発令や、計画停電の実施もあるかもしれない」と報じられています。これは、大規模停電のリスクが高まっていることの裏返しでもあります。国民の一人として節電に協力したいとは思いますが、電力消費の大半は工場や企業が占めます。家庭の比重は高くはありません。企業や事業所等の対応が重要であり、経済活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

 さて、過去の歴史を振り返ると、大きな天変地異が発生しなくても大規模停電は生じています。1987年の停電は、異常な猛暑によって冷房需要が急増したことが原因でした。クレーン船の送電線接触や、飛行機墜落事故による送電線断線が発端だったこともあります。

 

 大和市内への影響はありませんでしたが、最近では5月13日深夜から14日未明にかけて、横浜市青葉区、都筑区、緑区、川崎市麻生区などで6万9000軒が一時停電しました。川崎市が発注した水道工事で、委託先の業者が地中の送電線を誤って損傷してしまったことが発端だったそうです。一昨年9月に千葉県を中心に起きた大規模停電は、台風の影響で鉄塔が倒壊したことが原因でした。地震や電力不足といった非常事態にならなくても、停電のリスクは常にあります。備えを欠かすことはできません。

 

 仮に電気が停まったら、どうなるでしょうか。家庭では、室内の照明が点きません。冷暖房も使えません。冷蔵庫の中に詰めた食品は冷蔵、冷凍できなくなります。災害情報に強い公共放送のNHKから情報を得ようとしても、テレビはつきません。WIFIもつながらなくなります。固定電話も使えません。基地局が止まれば、携帯電話も使えないでしょう。

 

 コンビニを利用しようと思っても、一時的に閉店しているかもしれません。電子決済も利用できなくなります。交通機関では電車が止まります。信号が機能しないと、交通事故の危険性が高まります。バスは運行しないかもしれません。

 

 生活に欠かせない3大インフラは電気、ガス、水道と言われますが、電気はとりわけ非常に多くのウェイトを占めています。それほど、私たちの暮らしの基盤となっています。

 

 2018年9月の北海道胆振東部地震によって生じた全道的なブラックアウトは記憶に新しいです。この教訓を学ぶことも重要です。

 

 北海道が公表する資料や地元紙が出版した書籍などを読みますと、ブラックアウトが発生した際、市民は家庭でテレビを観ることができず、ニュースなどはスマホ、ワンセグテレビ、ラジオで視聴したということです。物流はストップし、物資の搬出、輸送が困難となりました。停電を原因とした断水も発生しました。自治体や市民が頼りにすべきコミュニティFMも一部が停波しました。

 

 災害時の拠点となる自治体には、スマートフォンなどを充電するための電源を求めて、多くの住民が詰めかけました。自治体の職員は衛星無線などを使用できたものの、光回線を使えず、多くの職員はパソコンを使うことができなかったそうです。

 

 停電期間が41時間と長期に及んだことで、道内の病院では透析治療、人工呼吸器の管理や通常診療体制にも大きな影響が出ました。病院の非常用電源設備に必要な燃料も入手困難になりました。

 

 ただ、EMIS(イーミス)と呼ばれる広域災害救急医療情報システムを活用することで、透析治療や人工呼吸器患者の治療継続に向けた患者の搬送を速やかに行うことができたそうです。EMISを簡単に説明しますと、災害時における適切な情報の収集・提供を目的とし、医療機関の患者受け入れ可否の照会、病院の被災状況や稼働可能な職員を確認するシステムです。災害時に医療機関同士がお互いに連携するための仕組みです。大和市の市立病院もこのシステムを有効活用することが求められます。

 

 市内で万が一、大規模停電が起きた場合に、可能な限り被害を縮減できるよう事前に備えておくことは大切です。そこで7点伺います。

 

①大規模停電発生時の大和市の取り組みについて

■市長

 平成30年北海道胆振東部地震では火力発電所の停止により、急激に電力需給バランスが崩れ、最大で約295万世帯が停電し、公共インフラにも重大な打撃がありました。

 また、令和元年台風15号では、千葉県を中心に強風によります大規模停電が発生し、復旧までに非常に長い期間を要しています。

 最近では今年の5月13日に横浜市、川崎市を中心として、送電線の損傷を原因とする停電が発生し、小田急線が一部不通になるなどの影響が出たことも記憶に新しいところです。

 このように大規模停電は様々な原因により、いつなんどき発生するかわからない状況ですので、本市としては災害対策本部を設置する市役所本庁舎や市立病院、避難所となる市立小中学校の体育館をはじめ、主要な施設に自家発電装置を設置するなど、大規模停電の発生に備えた取り組みを行っているところです。

 また市民の皆様に対しても、懐中電灯や電池の備蓄、防災情報等を取得するためのスマートフォン等の予備バッテリーの用意をお願いするとともに、共同住宅では停電による断水に備えた水の確保など、きめ細かい啓発を防災講話などの機会を捉えて行っているところです。

 

②市役所の非常用電源について

■総務部長

 平成30年度に設置した本庁舎の非常用発電機は、国が推奨する72時間を超える稼働が可能な能力を有しております。

 

③市民に供給できる電源について

④非常時の通信手段について

■市長(一括答弁)

 北海道の大規模停電の教訓として、市民、職員を問わず個人で所有するスマートフォン等による通信手段が、災害情報の収集や連絡業務に大変重要な役割を果たしています。こうした状況も踏まえて、学校等の避難所やシリウス、ポラリスなどの駅周辺施設については自家発電装置の設置とともに、スマートフォン等の充電ケーブルを備蓄するなど、停電時にも多くの方の情報端末に給電できるよう備えているところです。

 また、これらの自家発電装置で電力が不足する場合に備えて、電力会社に対し、電源車などの移動電源を供給するよう発災後、速やかに要請を行っていきます。

 さらに、通信基地局の被災等による通常の通信手段が遮断された場合も、他の自治体や関係機関との連絡のため、衛星電話及び優先系と衛星系に対応した神奈川県防災行政通信網を使用するとともに、各施設に配備したMCA無線により通信手段を確保していきます。

 今後も大規模停電の教訓を踏まえて、備蓄等に関する啓発を進め、電源設備や通信手段の確保、訓練などソフト、ハードの両面から大規模停電への備えに努めていきたいと考えております。

 

⑤市立病院の非常用電源について

■病院事務局長

 当院では、大規模停電が起きた場合でも、医療の提供を継続できるよう、72時間を超える稼働に必要となる非常用発電機用の重油を備蓄しております。また、停電時に瞬時に作動する無停電電源装置を備えているため、非常用発電機が稼働するまでの間も主要な設備、医療機器等の電気が途絶えることはありません。

 

⑥衛星電話によるEMIS接続について

■病院事務局長

 当院では、通常の通信回線が使用できない場合にも、広域災害救急医療情報システム、EMISへの接続が可能になるよう、衛星電話を2台保有しております。院内で毎年実施している防災訓練の際には衛星電話を用いたEMISへの接続や入力方法の確認を行うなど、非常時に迅速に対応できるよう訓練に努めているところです。

 

⑦電源が切れた場合の重症患者等の搬送体制について

■病院事務局長   

 災害拠点病院である当院において、非常用発電機の備蓄燃料が不足する場合には優先的に供給されることになっております。万一、災害等の状況により、燃料の供給がされず電源が喪失し、重症患者等の治療が困難になった場合には、EMIS等の体制が整備されていることから、当院としてもそれらを活用し、県等との連携のもと、迅速に患者搬送を行っていきます。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。政府は市町村に対し、最低72時間の連続稼働が可能な非常用電源の整備を求めています。総務省消防庁の令和元年6月の調査によると、この目安をクリアしているのは全国の市区町村の半数に達していないです。神奈川県内の19市でも達成しているのは11市のみで、横須賀、鎌倉、小田原、秦野、厚木、伊勢原、座間、南足柄は未達成となっています。大和市は3日分の非常用電源は確保しているということで、その点は安心しました。病院についてもEMISの訓練を行っており、非常時の電源は途絶えないということでした。

 

 ただ、油断はできません。北海道のブラックアウトでは、信号がつかない状況下で運転手の確保ができないとして、札幌地区トラック協会と締結していた災害協定が機能しない地域がありました。これは札幌市の事例ですが、せっかく確保した物資を避難所に輸送できないため、最終的に自衛隊に輸送を要請したということです。

 

 災害協定を結んでいても、定期的にシミュレーションしたり、日頃から連絡を密にしたりしていないと、机上の空論になってしまうかもしれません。

 

 大和市が今年3月にまとめた「国土強靭化計画」では「二次災害発生の防止対策や、復旧・供給再開に協力できるよう関係事業者との連携強化に努めます」と記しています。北海道の教訓を他山の石として、「使える協定」とすべく、関係事業者との連携も密にしてほしいと要望します。

 

 代替電源の確保や市民向けの電源についても、抜かりがないように対応をお願いします。

 

 発災時の行政の広報体制ですが、停電や震災発生時のホームページをあらかじめ準備しておくことも一案です。たとえば、新聞社では有名人がお亡くなりになったときに号外を発行することがありますが、その紙面は実はあらかじめ予定稿を作成することで、既に出来上がっています。行政のホームページでも同様に、万が一の事態が生じたときに速やかに広報できるよう、ワンストップで理解できるページを予め準備しておくことも大切です。新型コロナでもそうでしたが、非常時には自治体のホームページを観る人が急増します。住民が欲する情報を速やかに発信できる体制を確保しておく必要があります。

 

 非常時の広報ではツイッターも有用です。ただ、ツイッター上ではデマが拡散することも多々あります。デマの打ち消しも含め、住民が過度に不安に陥らず、確度の高い情報を十分に得られるように、情報発信の在り方についても留意していただければと存じます。

 

 以上、大規模停電に対する死角がないか、素人なりに簡単に検証しました。北海道のブラックアウトは言い方は悪いですが、格好の教材でもあります。是非、調査研究を入念に進めて本市の対応に生かしてほしいと考えます。

 

 我々市民としても、たまには自宅のブレーカーを落として「セルフ停電」してみて、停電時に何が必要になるのかを想定しておくことも良いかと思います。

 

2.終活支援

 

 今定例会には、おひとりさま支援条例の議案が上程されています。これと対をなすのが、昨年に成立した終活支援条例です。条例化することの是非論はさておき、本市で行っている終活支援事業は高い評価を受けています。一例を挙げると、終活コンシェルジュを配置し、エンディングノートを配っています。内容や担当部署は異なりますが、遺族が行う様々な事務手続きを案内する「ご遺族支援コーナー」については、「複雑な手続きが楽になって有難い」。このような声を耳にします。

 

 さて、私は40歳代後半で人生の折り返し地点を過ぎましたが、周りではお亡くなりになる方もいらっしゃいます。人間の生き死について意識し始める年齢となってきました。

 

 「死を考える」と言うと暗いイメージが漂います。一般的には忌避されがちなテーマです。一方、死を考えることは生を見つめ直すことにもつながります。たとえば、自分が死んだときに誰に連絡するか。これを考えることは、自分と親しい関係の方、自分が亡くなった時に悲しんでくれる方がどの程度いるのかを精査する作業です。自らの交流関係を洗い直すことでもあります。

 

 もし残りの命が1年しかないと告げられたら、皆さんは何をしたいでしょうか。人によって答えはそれぞれでしょう。闘病生活で余裕がない方もいらっしゃるかもしれませんが、精一杯、好きなことをしたい。何か残しておきたいと考える人も多いのではないでしょうか。

 

 繰り返しになりますが、死と生とは隣り合わせです。死を意識することで、自分の生き方を問い直すことができます。これが死生学の教えです。

 

 私が通った大学はキリスト教系の学校でしたが、「死の哲学」と題した名物の授業科目がありました。2年前にお亡くなりになったアルフォンス・デーケン教授が講師でした。一般質問にあたって本を読んでみましたが、とても学ばされます。

 

 「死への準備教育」は「生への準備教育」とも言えます。アメリカでは多くの小中高校でデス・エデュケーションを教えています。保健や社会科の授業で取り入れているそうです。

 

 これはイギリスから取り寄せた子供向けの教材です。子供は時に、愛する人が亡くなったのは、自分の愛情が足りなくなったせいだと考えがちです。ですが、そのことと死亡に関係はありません。だから、一緒に楽しく過ごしたひと時を思い出してあげよう。本にはこんな内容も書かれており、近親者の死に対する受け止め方を諭しています。

 

 さて、本市では「終活」について「自らの死と向き合い、自己の希望及び周囲の人々への影響を考慮したエンディング及び死後の手続きに関する準備を行う活動」と位置付けています。これは、条例上の定義です。

 

 ただ、終活は本来、事務的な準備作業にとどまらず、本質的には生を見つめ直すことです。心の問題という側面も大きいです。ですので、終活を幅広に捉え、本市の取り組みをバージョンアップできないでしょうか。

 

 たとえば、大和市の図書館、シリウスには自分史コーナーがあります。人に歴史あり。自分が死んだ後にも、自分が社会に何を残したのか、どんな人生を歩んだのかを他人にも共有してもらいたい。これは人間の自然な欲求です。自分史コーナーはとてもユニークな試みですが、さらに進めて、自分史作成の支援をしてもよいのではないでしょうか。

 

 朝日新聞や読売新聞などの大手新聞社では、自分史作成の業務を行っています。行政が自分史作成の業務を直接担うと「官の肥大化」「民業圧迫」となりますが、仲介する方法で支援することはあってよいでしょう。

 

 大和市は「認知症1万人時代に備える」と標榜しています。わが国には、任意後見制度があります。本人が十分な判断能力を有するうちに、予め自ら選んだ任意後見人に、代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度のことです。家庭裁判所の領域になりますが、終活支援のなかで周知啓発することもできるのではないでしょうか。

 

 そこで2点伺います。

 

①終活支援の意義について

■市長

 今年はこれまで社会、経済、社会保障から文化まで強い影響を与えてきた団塊の世代の方々が後期高齢者に差し掛かってくる起点の年と言われております。いよいよ高齢者の方が多くを占める時代が到来してきます。また2040年時点で65歳に達した男性の約4割の方が90歳まで、女性の方の2割が100歳まで生存すると言われています。本格的な人生100年時代に突入しようとしています。

 そうした中で、ご自身のこれまでの生き方を振り返り、心残りの事柄を整理する「終活」に取り組むことは、その後の人生を前向きに過ごすために大切なことです。

また、葬儀や納骨、医療や介護に関する自身の希望、財産の振り分け方などを事前に決めておくことは、残された方々の負担を軽減するだけでなく、将来への不安を払拭することにもつながります。

 終活はご自身の死と向き合い、人生を俯瞰する尊い作業であり、「健康都市やまと」を掲げる本市は、それぞれの方々の気持ちや考え方というものを重視しながら、終活に取り組む市民に敬意を表し、全力で支援していく所存です。

 

②本人の気持ちや考え方をより重視した終活支援の拡充について

■市長

 本市では平成28年に終活支援事業を開始しました。開始してからこれまでに、1000件を超える相談が寄せられましたが、その内容は葬儀、納骨、医療や介護、遺言書やエンディングノートに関することなど、多岐にわたっています。

 人生の最後の意思を遺言書やエンディングノートなどに記しておくことは、ご自身だけでなく残された方々にとっても大切なことではないかな、と思います。

本市ではこれまで、相談窓口において、エンディングノートの紹介や書き方のサポートを行ってきました。

 今年度はこうした支援をさらに拡充し、文化創造拠点シリウスで毎月第1火曜日に開催される「健康都市大学月イチ学園祭」の終活ブースにおいて、エンディングノートの書き方講座を開催するほか、司法書士や葬祭事業者などの専門家を招き、遺言書や相続、葬儀、後見制度などについて学ぶ講座なども開催していきます。

 我が国日本は世界で最も早く超高齢社会に突入しておりますが、本市大和市はこの未曽有の歴史的事象に対して、世界のお手本となるような終活モデルを打ち立てるべく勇往邁進し、一人になってもひとりぼっちにさせない社会を実現していく所存です。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。市長からは「世界のお手本となるようなモデルを打ち立てるべく勇往邁進する」という強い決意でした。

 

 終活をめぐっては、終末期医療における事前指示書、いわゆるリビングウィルも近年、注目を集めています。これは、病気や事故で意識を失った場合などに備え、終末期の医療の選択について予め表明しておく書面のことです。延命治療を望むのか、望まないのかは個人の選択です。まさに死生観に絡みますし、良し悪しを言うつもりはありません。どちらが良いと他人に強要できるものでもありません。ただ、リビングウィルの存在を知らしめ、死に方を考えてもらうことは、より良い人生を送る上でも大切だと考えます。

 

 大和市が発行するエンディングノートでは、病気の告知や延命治療、終末医療に関する本人の希望をチェック印で埋め、意思表示できるようになっています。このページですが、意思表示をチェックできる欄があるということです。先ほどの答弁では、エンディングノートの書き方講座を行う予定ということですが、リビングウィルの重要性についても、是非啓発していただければと存じます。

 

 このエンディングノートは、欄が大きくて書きやすいです。一方、ページ数は少ない印象を受けます。たとえば、遺品をどうするかについては記述がありません。とりわけ、デジタル化が進む令和の時代では、デジタル遺品をどうするかも課題です。SNSをしている人の場合、LINEやフェイスブック、ブログ等を死後も放置しておくのか、削除するのか。削除する場合、その方法はどうするのか。オンラインで、何らかのサービスのサブスクリプション契約をしていた場合、どのように解除するのか。契約を放置していると、利用していない代金を払わされる羽目になります。

 

 デジタル遺品は個人情報に属する側面が大きく、周囲の人がわかりづらい問題もあります。なので、ご本人が予めどうするかを示しておいた方が良いでしょう。このような今日的課題についても、行政として支援していくことが重要だと考えます。

 

 死の自己決定をめぐっては、葬祭など死後の処遇に関するものと、死の迎え方に関するものの2つに分類できます。大和市が主に支援しているのは前者ですが、後者も対応してほしいと考えます。

 

 大和市では健康都市大学を開設しています。そのなかで、任意後見制度はもとより、死生学、自分史の書き方、リビングウィルなどを周知啓発するのもよいでしょう。市の答弁では、「月イチ学園祭の終活ブースでエンディングノートの書き方講座などを開催する」ということでしたが、参加した市民の皆様が満足していただけるような終活ブースになることを期待します。

 

 私は先の3月定例会で、幸福実感度の向上について質問しました。人生を終えるときに、「よい人生だったな」と振り返ってもらえる手助けをできるような、幸福実感度を高める支援も進めてほしい。このように要望して、このテーマを締めくくります。

 

 

3.主に南部地区の道路整備・交通関係

 

(1)福田相模原線(福田地区)

 

 都市計画道路、福田相模原線は本市を南北に縦断し、相模原市から藤沢市までを結ぶ幹線道路です。同様に本市を縦断する国道467号と並行するように走っており、交通量の分散にも役立っています。南林間地区では拡幅工事、上草柳地区では歩道整備工事を進めています。ただ、福田地区については現在、新幹線と交差する原福田跨線橋のあたりで行き止まりとなっており、整備が進んでいません。

 

 4年前の2018年10月19日付の「やまとニュース」では、「福田相模原線、南進へ」と大々的に広報しましたが、進捗はなかなか思わしくないようです。この問題については会派、自由民主党の中村一夫議員が昨年12月の定例会で、質問しましたが、今年度は議長職にあって登壇できないため、今回、私が代わって質問します。

 

 市側は12月定例会において、「JRとの協議から原福田跨線橋の老朽化対策を含め、整備方針を改めて検討する必要が生じた。来年度、つまり令和4年度以降は、跨線橋の構造設計委託を実施しながら引き続きJRと協議する」。このように答弁しました。

 

 福田相模原線が南進するためのファーストステップである原福田跨線橋は昭和38年に立てかけられ、約60年が経過しています。大和市が令和2年3月にまとめた「橋りょう長寿命化修繕計画」によると、この跨線橋の健全性は「Ⅲ、早期措置段階」と診断されており、5年以内に修繕することが必要です。計画策定から2年が経過していますから、今から3年以内の修繕が求められていることになります。

 

 事業完成を待ち望む地元の住民からは「工事の期間や費用はどの程度なのだろうか」「橋はどのようになるのだろうか」といった声が寄せられています。

 

 そこで1点伺います。

①原福田跨線橋に関する検討の進捗状況について

■街づくり施設部長

 福田相模原線福田地区の新幹線上にかかる原福田跨線橋については、昨年度のJRとの協議において、竣工から50年以上経過しているため、設計基準や幅員等の構造について確認を行った結果、維持管理を行う上での老朽化対策を含めた整備方針を改めて検討するようJRから要請がありました。

 今年度は跨線橋の構造設計委託を実施しながらJRと協議を進める予定であり、現時点では跨線橋の整備方針などは確定していない状況です。

 今後、JRと協議を重ね、構造や整備手法が定まった場合、竣工にかかわる時期や費用が明確になってきますが、新幹線にかかるJRとの協議は他市の事例からみても相当の時間を要することが想定されますので、今後も引き続き協議を重ね、着実に事業を進められるよう取り組んでいきます。

 

 

2)県道丸子中山茅ヶ崎線

 

 私が住んでおり、主に担当しているエリアは桜ケ丘です。地元では県道丸子中山茅ヶ崎線の整備が重要な課題となっております。県道なので所管は県ではありますが、市も連携して進めていくことが大切です。この県道では左馬神社の近くの交差点改良事業も終わり、拡幅工事も随分と進んできました。ただ、まだ用地買収に応じていない地権者もいると仄聞します。

 

 そこで1点伺います。

①道路整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 県道丸子中山茅ヶ崎線の整備状況については、県道の拡幅工事を進めるなか、市道光が丘久田線と市道久田山谷線、県道の3路線の変形交差点における改良工事が令和3年10月に完了しました。現在は改良工事が終了した交差点から境川へ向かう道路の北側において、埋蔵文化財の発掘調査を行っているため、工事を中断しておりますが、調査完了後においては、引き続き歩道の整備工事を行う予定と神奈川県から聞いております。

 また、用地においては約80%の取得状況ですが、残りの20%は様々な課題により用地取得が困難な状況であるため、事業認可期間について令和2年度末から令和7年度末まで延伸されました。

 今後も引き続き、神奈川県及び県道丸子中山茅ヶ崎線道路整備促進協議会と連携をはかりながら、一日も早い事業完成に向け、市としても協力していきたいと考えております。

 

 

(3)小田急線の人身事故

 

 5月31日夜、小田急線の大和駅と桜ケ丘駅の間にある大和3号踏切で人身事故がありました。私の居住地の近くです。報道によると、男女2人がはねられたということです。心中だったのでしょうか。

 

 この踏切は「自殺しやすい場所」でもあります。下り列車の場合、カーブを終えたところに位置しており、見晴らしが悪いです。このため、電車の運転手が異常を発見しづらい。こうなっています。さらに、車が通れないほど狭く、通行量は少ないです。他人に気づかれにくい立地となっています。

 

 現場を見渡すと、非常ボタンがあります。自殺を思いとどまらせるための「いのちの電話」の看板もあります。「ふみきりは、カメラにうつっています!」と警告する看板も設置されています。ただ、私が目視した限り、監視カメラを見つけることはできませんでした。

 

 この踏切に限らず、小田急江ノ島線では人身事故が相次いでいます。本日の資料の裏で、事故をまとめさせていただきましたが、さまざま事故が起きています。

 

 本市北部を横断する東急田園都市線は踏切そのものがないので事故が少ないですが、小田急線については、資料に示した通りです。中には、ホームから飛び降りるケースもあります。

 

 小田急電鉄が公表している『安全報告書2021』を読むと、「踏切事故の未然防止対策」として踏切障害物検知装置が掲げられています。これは、踏切が鳴っているときに障害物を検知すると、列車のブレーキが自動的に作動する装置です。市内を走る小田急線の踏切では設置されているのでしょうか。

 

 そこで2点伺います。

①大和市内における小田急線のホームドア整備の進捗状況について

■街づくり施設部長

 大和市内における小田急線のホームドアについては、現時点では全駅未整備ですが、小田急電鉄は1日の利用者数10万人以上の駅に優先して設置する方針を示しており、大和駅及び中央林間駅について整備計画が示されております。

 中央林間駅については、鉄道駅総合改善事業において現在、ホームドア設置のためのホーム補強工事を実施しており、令和6年度にホームドアの整備が完了する予定となっております。その他の駅についても、引き続き早期設置を小田急電鉄に対し要望していきたいと考えております。

 

②踏切事故が多い箇所に踏切障害物検知装置などを設置するよう働きかけられないか

■街づくり施設部長

 小田急電鉄においてはこれまでも、踏切事故の未然防止策として踏切内の異常を接近する列車に知らせる非常ボタンのある安全設備の設置や踏切のカラー舗装化などの対策を行っております。

 議員ご提案の踏切障害物検知装置などについては、小田急電鉄が踏切通行量のほか地理的条件等を総合的に勘案して設置し、全体の安全施策とのバランスと取りながら推進すると聞いており、市としても小田急電鉄との街づくりでの連携をはかるなかで、これらの踏切における安全対策についても要望していきます。

 

 【答弁後の意見・要望】

 答弁をいただきました。福田相模原線の原福田跨線橋に関しては、昨年12月定例会の答弁からあまり進展はありませんでした。まだ構造設計を委託中であり確定していないため、工事の内容についてなかなか回答を示すことはできないということのようです。

 

 現地を確認しましたが、道路を延伸しようとしている区間のど真ん中に住宅が立ち並んでいます。用地買収を含め、大変長い時間を要する作業になるだろうとは理解します。ですが、やまとニュースで大々的に広報していますし、地元での期待が高い事業でもあります。できるだけ速やかに取り組んでほしいと要望します。

 

 県道丸子中山茅ヶ崎線については、「残っている20%は用地取得が困難」ということでした。事業認可期間も延伸を繰り返していますし、用地取得の進捗が見られない場合には、土地収用法に基づく土地収用を辞さない覚悟で取り組んでいく必要があるでしょう。主体は県になりますが、個人的にはこのように考えています。

 

 小田急線の人身事故については、「安全対策を要望していく」といった前向きな答弁でした。小田急電鉄の昨年1月28日付のリリースを見ると、新宿、南新宿、代々木八幡の踏切3カ所において、人工知能AIを用いた踏切異常事態検知の実証実験を行っているそうです。対象は小田急小田原線ですが、江ノ島線についても先進的な検知システムを導入するよう強力に働きかけていただければと存じます。

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令和4年9月議会